工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第15回「エピローグ:起死回生の手段」 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2018.01.19(金)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第15回「エピローグ:起死回生の手段」

特集 コラム

>>前回

「あんたの計算違いは社長とオレが直接話したことだ。そこでオレは社長が見知らぬBitcoinアプリをインストールしたことを知り、その中身を精査したのさ。アンダーグラウンドマーケットで販売されているネット犯罪用アプリだった。既存のBitcoinアプリにマルウエアをつなぎ合わせた代物だ。それがわかれば、あんたの考えていることをつきとめるのは簡単だった」

最近はいろんなものが便利になった。自分でマルウェアを開発しなくても、ありものを購入して設定をいじるだけでいい。山岡もその存在を知って魔が差したのだろう。

オレは山岡を残して会議室を出ると受付に向かった。

「工藤です。社長とアポイントあるんだけど」

ロボットのような化粧をした受付嬢が、大きな目をくりくりさせて、「承っております」と萌え声を出した。会社でそういう声を出してはいけないって誰か決めてほしい。

「以前と同じ店で待っているとのことです。おわかりになりますか?」

受付嬢がオレの目をじっと見つめて教えてくれた。いつも思うんだが、相手の目を見て話すっていうのは時にはすごくぶしつけに感じる。これも禁止してほしい。

「わかった」

オレは短くそう言うと、会社を出て以前社長と入ったファミレスに向かった。

店に入ると奥まった席にいた社長が、立ち上がってオレを手招きした。案内に出てきたウェイトレスに、「待ち合わせなんだ」と断って早足で向かう。社長はオレが近づいてくるのを確認して腰を下ろした。

「全て終わった。山岡はほぼ認めたようなもんだ。あいつは、いまは床で泣いてる」

そう言いながら社長の向かいに腰掛ける。

《一田 和樹》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×