工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第15回「エピローグ:起死回生の手段」 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2018.10.20(土)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第15回「エピローグ:起死回生の手段」

「社員の定年後のことまで面倒見切れるほど豊かな時代じゃないことはわかってる。ただ、こういう犯罪はまた起こるし、それが自然だってことは覚えておいた方がいい」

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「あんたの計算違いは社長とオレが直接話したことだ。そこでオレは社長が見知らぬBitcoinアプリをインストールしたことを知り、その中身を精査したのさ。アンダーグラウンドマーケットで販売されているネット犯罪用アプリだった。既存のBitcoinアプリにマルウエアをつなぎ合わせた代物だ。それがわかれば、あんたの考えていることをつきとめるのは簡単だった」

最近はいろんなものが便利になった。自分でマルウェアを開発しなくても、ありものを購入して設定をいじるだけでいい。山岡もその存在を知って魔が差したのだろう。

オレは山岡を残して会議室を出ると受付に向かった。

「工藤です。社長とアポイントあるんだけど」

ロボットのような化粧をした受付嬢が、大きな目をくりくりさせて、「承っております」と萌え声を出した。会社でそういう声を出してはいけないって誰か決めてほしい。

「以前と同じ店で待っているとのことです。おわかりになりますか?」

受付嬢がオレの目をじっと見つめて教えてくれた。いつも思うんだが、相手の目を見て話すっていうのは時にはすごくぶしつけに感じる。これも禁止してほしい。

「わかった」

オレは短くそう言うと、会社を出て以前社長と入ったファミレスに向かった。

店に入ると奥まった席にいた社長が、立ち上がってオレを手招きした。案内に出てきたウェイトレスに、「待ち合わせなんだ」と断って早足で向かう。社長はオレが近づいてくるのを確認して腰を下ろした。

「全て終わった。山岡はほぼ認めたようなもんだ。あいつは、いまは床で泣いてる」

そう言いながら社長の向かいに腰掛ける。

《一田 和樹》

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