工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第6回 「川辺」 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2018.09.21(金)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第6回 「川辺」

オレと目を合わせず、落ち着きなく周囲を見回し、貧乏揺すりを始める。絵に描いたような不審者って感じだ。

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ノックの音がして、山岡と青白い顔をした小太りの男が入ってきた。Tシャツとジーンズなのはいいとして、全身から独特の違和感がただよってくる。どこにいてもなじめないタイプの人間だ。

「川辺です」

山岡はそう言い、川辺を向かいの席のうしろに立たせ、自分はオレの横に移動した。

「初めまして。工藤と申します。今回、依頼を受けてランサムウェアについて調査しています」

オレは席から立ち上がると、川辺に名刺を差し出す。

「はい。川辺です」

うろたえているのか、川辺の眼球が落ち着きなく動く。オレから名刺を受け取ったのに、自分の名刺は出そうとしない。なくてもかまわないので、掌で席を勧める。

「事件については知ってる?」

川辺が腰掛けてすぐに質問した。

《一田 和樹》

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