ジェムアルト株式会社は9月20日、世界中で公表されたデータ漏えいインシデントのデータベースである「2017年上半期Breach Level Index」(BLI:情報漏えい危険度指数)の集計結果を発表した。これによると、2017年上半期は世界で918件のデータ漏えいが発生し、漏えいしたデータ件数は2016年下半期から2.5倍以上(164%)増加の約19億件となった。また、2017年上半期では、百万件以上のデータが漏えいした大規模データ漏えいインシデントが22件発生している。これにより、調査を始めた2013年以来、90億件以上のデータが漏えいしたことになり、これは平均して毎日1千万件以上、毎秒約122件のデータが漏えいしていることになる。データの漏えい源は、データ漏えい件数では「悪意ある部外者」が74%でもっとも多いが、データ数で見ると13%にとどまっている。一方、データ漏えい件数の8%である「悪意のあるインサイダー」により漏えいしたデータ件数は2千万件に達し、昨年下半期の50万件から約40倍に増加している。業種別では、BLIが追跡する業種のほとんどで、漏えい、盗難または紛失したデータ件数が100%以上増加した。特に教育分野では、漏えい件数が103%増加、漏えいデータ数が4,000%以上増加した。これは中国最大の民間教育事業のひとつで発生した悪意のあるインサイダーによる攻撃の結果としている。医療分野では、データ漏えい件数は前半期とほぼ同じものの、盗難、紛失または漏えいしたデータ数は423%増加している。