株式会社日本レジストリサービス(JPRS)は6月30日、BIND 9.xの脆弱性(TSIG認証の迂回によるゾーンデータの操作)について緊急の注意喚起を発表した。同脆弱性(CVE-2017-3143)は、開発元であるISCから発表されたもので、ISCでは本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しており、バージョンアップを強く推奨している。同脆弱性の影響を受けるバージョンは、「9.11系列:9.11.0~9.11.1-P1」「9.10系列:9.10.0~9.10.5-P1」「9.9系列:9.9.0~9.9.10-P1」。9.4.0~9.8.8も影響を受けるが、すでにサポートを終了しているためISCはセキュリティパッチをリリースしないとしている。また、namedにおいてTSIGによるアクセス制限を有効にしている場合(デフォルトでは無効)のみが対象となる。これらにはTSIGの取り扱いに不具合があり、あるゾーンの特定のサービスに対しTSIGによるアクセス制限が設定されており、かつ、有効なTSIG鍵の名前が既知であった場合、そのサービスのTSIG認証を迂回される脆弱性が存在する。JPRSでは、同脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.11.1-P2/9.10.5-P2/9.9.10-P2)への更新、あるいは各ディストリビューションベンダからリリースされる更新を速やかに適用するよう呼びかけている。