株式会社日本レジストリサービス(JPRS)は6月15日、BIND 9.xの脆弱性(権限の昇格)について緊急の注意喚起を発表した。同脆弱性(CVE-2017-3141)は、開発元であるISCから発表されたもので、ISCでは本脆弱性の深刻度(Severity)を「重大(Critical)」と評価しており、バージョンアップを強く推奨している。なお、影響を受けるのはWindows版のBINDのみ。同脆弱性の影響を受けるバージョンは、「9.11系列:9.11.0~9.11.1」「9.10系列:9.10.0~9.10.5」「9.9系列:9.9.0~9.9.10」。9.4.0~9.8.8、9.3.2-P1~9.3.6、9.2.6-P2~9.2.9も影響を受けるが、すでにサポートを終了しているためISCはセキュリティパッチをリリースしないとしている。これらには、Windows版BINDのインストーラにおいて引用符で囲まれていないプログラムパスが使われていたことにより、所定のファイルを作成可能なローカルユーザによる権限昇格攻撃が可能となる脆弱性が存在する。JPRSでは、同脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.11.1-P1/9.10.5-P1/9.9.10-P1)への更新、あるいは各ディストリビューションベンダからリリースされる更新を速やかに適用するよう呼びかけている。