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2018.12.11(火)

書評「Dark Territory」(1) アメリカでサイバー戦が重要課題となるまでの軌跡

一読して、一過性の技術や教育に対する投資の意味がないことがわかる。正確に言えば、しかるべき組織と指導者、そしてビジョンがなければむやみに技術や教育に投資をしても役には立たないということだ。

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多くの人はこう考えているだろう。

「アメリカはサイバー戦闘において常に最先端を走っており、世界最新最強のサイバー防御態勢と攻撃力を保有している」

現時点で、それは合っているかもしれない。しかし、少なくともしばらく前まではアメリカは遅れていた。それにはふたつの理由がある。

ひとつは、多くの政治家や官僚がこの問題について正しい認識を持っておらず、従って危機感も薄かったこと。

もうひとつはアメリカが世界有数のネットワーク先進国であり、すでに生活基盤の一部となっていること。依存が高ければ、その分攻撃を受けやすく、受けた時のダメージも大きくなる。それをカバーできるだけの防衛力がなければ無防備でサイバー空間にさらされている状態になる。かつてアメリカはそうだった。そして日本はいまでもそのままだ。

本書、Fred Kaplan 著「Dark Territory: The Secret History of Cyber War」はそのタイトルの通り、アメリカにおけるサイバー戦の扱いがどのように変遷してきたかを記したドキュメントである。技術的な側面や戦史そのものよりも、組織と人に焦点をあてている。

おかげで一読して、一過性の技術や教育に対する投資の意味がないことがわかる。正確に言えば、しかるべき組織と指導者、そしてビジョンがなければむやみに技術や教育に投資をしても役には立たないということだ。

《一田 和樹》

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