この交渉が関係するのは、軍縮協定であるワッセナー・アレンジメント。この協定では、参加国がある種の兵器や「軍民両用製品」の輸出を制限することで合意している。従来、この協定が対象とするのは通常兵器のみだったのだが、2013年12月に新たな文言が追加された。サイバー戦争で使用される可能性のあるソフトウェア・ツール、とりわけ、脆弱性のあるプログラムやサーバーに対してエクスプロイト攻撃を実行するコードの輸出を禁止したものだ。
不幸なことに、ITセキュリティの専門家が日常的に使用するソフトウェアもこの修正されたルール上では兵器として分類されかねないのだ。ネットワークに関するあらゆるテストやセキュリティの確保にとって重要なステップは、そのネットワークに攻撃を加えてセキュリティホールがどこにあるのかを見つけることだ。そしてそのためにはエクスプロイトコードを使う必要がある。