ドローンの接近を検知するシステムとしては、接近音を検知するシステムなどがすでに実用化されはじめている。ただし、テロなどが想定される施設においては、機動性が高いドローンが用いられる可能性もあるため、現実的には多層的な対処法などが求められる。 そうしたなか、東京ビッグサイトで開催された「テロ対策特殊装備展'16」において理経は、ドローンWi-Fi検知システム「DroneBlocker」を展示した。同社ではDroneShield LLCの「DroneShield」という接近音を検知するシステムをすでに取り扱っているが、同製品はまた別のアプローチのドローン検知システムとなる。 今回展示された「DroneBlocker」は仏・TrustComs社の製品で、ドローンの制御に用いられるWi-Fi信号からドローンを検知。2.4GHz帯~5.7GHz帯のWi-Fi信号を検知し、360度全方位をカバーしながら、検知距離は約2.7Km、範囲内であれば複数のドローンを同時に検知することも可能だ。アクティブモードを使えば、ドローンに搭載されたカメラの映像を表示したり、ドローンのWi-Fi接続を遮断するといった、悪玉ドローンの制御も可能となっている(日本国内で使用する場合には電波法に基づいた運用となる)。 オリンピックなどの大規模屋外イベント会場などでの使用を想定しており、価格はソリューションごとの対応のため非公表だが、複数のアンテナを用いたシステム全体で数千万円単位となるようだ。