通信インフラがダウン状態でもスマホ同士をWi-Fi Direct機能を利用して接続する「スマホdeリレー」(構造計画研究所) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.08.24(木)

通信インフラがダウン状態でもスマホ同士をWi-Fi Direct機能を利用して接続する「スマホdeリレー」(構造計画研究所)

研修・セミナー・カンファレンス セミナー・イベント

 先の「平成28年熊本大地震」では多くの家屋が倒壊し、生き埋めとなった人々の生存が見込まれる「72時間問題」が改めてクローズアップされた。

 生存者の捜索活動は、自衛隊や警察、消防などを中心に懸命に行なわれるが、被災エリアが広大になる場合は、どこに誰がいて、どんな困った状況に置かれているかを把握することは簡単ではない。

 運良く携帯電話やスマホが利用できる状況であれば電話をかけたりメールで安否を知らせたり、助けを求めることができるが、ケータイ各社の通信インフラがダウンしている状況ではそれも叶わない。

 そうした状況下でも確実に情報伝達ができ、適切かつ迅速な救助・捜索活動に活かすために、東北大学の加藤・西山研究室と構造計画研究所は、アプリを使った通信技術「スマホdeリレー」の実用化に向けた研究・開発を行っている。

 27日まで東京ビックサイトで開催された「ワイヤレスジャパン」にて、その「スマホdeリレー」が展示されていたので、早速紹介していこう。

 そもそも「スマホdeリレー」は、通信インフラが機能しない状況下でも、アプリがインストールされたスマホ同士をWi-Fi Direct機能を利用して自動的に接続。アプリ経由でメッセージや写真をリレーで渡していき、最終的に通信インフラの圏内までリレーすることもできる。

 また、リレーされたスマホが圏内まで持ち込まれれば、メールサーバー的な役割を担い、インターネット経由で目的の相手にメールを送信することも可能だ。

 他にも、通信インフラがダウンした圏外エリアで、非常事態や避難勧告などを通知する必要があった場合に、「スマホdeリレー」を使って情報の拡散が行えたり、被災後に配水や食料配布などの情報伝達にも利用できる。

 アプリは2013年に仙台市街地で大規模実証を実施。その後、数々の実証実験を重ね、2015年に「第29回 先端技術大賞特別賞」を受賞。また、同年10月には東北大学 総合防災訓練でも情報収集に利用、テキストメール675通と写真44枚を圏外から圏内のキャンパスへと届けるのに成功したという。

 Wi-Fi Directの通信範囲はおよそ70m前後(周辺環境により異なる)とそう広くはないが、アプリをインストールしたスマホを持った捜索隊が近くを通れば受信は可能だ。

 なお、「スマホdeリレー」現在、Android版がリリース済み。iOS版は2016年下半期にリリース予定。この後、海外での実証実験を経て、実用化へと進んでいく。

災害時の圏外環境でも通信を可能にする「スマホdeリレー」

《防犯システム取材班/梅田勝司@RBB TODAY》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

研修・セミナー・カンファレンス カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. FFRI 鵜飼裕司の Black Hat USA 2017 注目 Briefings ~ マルウェアの復活

    FFRI 鵜飼裕司の Black Hat USA 2017 注目 Briefings ~ マルウェアの復活

  2. あのランサムウェアはいくら儲かったのか? Locky が 780 万ドル、WannaCry は?

    あのランサムウェアはいくら儲かったのか? Locky が 780 万ドル、WannaCry は?

  3. サイバー犯罪捜査に正しい知識と技術を - 静岡のITベンチャー

    サイバー犯罪捜査に正しい知識と技術を - 静岡のITベンチャー

  4. これまでの 20 年とこれからの 20 年 ~ Black Hat 2017 ジェフ・モス開会挨拶

  5. 開発者などに向けたアプリケーションセキュリティトレーニングを無償開催(The OWASP Foundation)

  6. 「CODE BLUE 2017」は11月、一般向けおよび女性向けCTF国際大会を初開催(CODE BLUE事務局)

  7. ランサムウェアの歴史と未来 - 世界最初のランサムウェアはフロッピーを郵送?(ESET)[Security Days Spring 2017 レポート]

  8. 高度IT人材の発掘~セキュリティ・キャンプの応募課題がすごすぎる件

  9. アジア最大規模の国際セキュリティカンファレンス ISEC 2017、韓国ソウルで9月開催

  10. コネクテッドカーが持つ潜在的なリスクとセキュリティ対策のための3つの柱

全カテゴリランキング

特集

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×