IoT機器向けに、TLSでの認証時間を1/5にする技術を産学で開発(富士通研究所) | ScanNetSecurity
2024.03.28(木)

IoT機器向けに、TLSでの認証時間を1/5にする技術を産学で開発(富士通研究所)

富士通研究所は、東京大学、東邦大学と共同で、IoT機器向けにPCなどで広く用いられる公開鍵暗号を利用した暗号通信方式TLSの認証処理時間を、同等の暗号強度をもつ従来方式と比較して約5分の1に短縮する認証技術を開発した。

製品・サービス・業界動向 業界動向
株式会社富士通研究所は1月19日、国立大学法人東京大学(東京大学)、学校法人東邦大学(東邦大学)と共同で、IoT機器向けにPCなどで広く用いられる公開鍵暗号を利用した暗号通信方式TLSの認証処理時間を、同等の暗号強度をもつ従来方式と比較して約5分の1に短縮する認証技術を開発したと発表した。核となる認証付き鍵交換方式の処理負荷を軽減し、さらに演算処理を高速化することでTLSへ組み込み可能な認証技術を開発したという。

今回、実現する機能をTLSに必要な認証と鍵交換に限定し、処理量の少ない認証付き鍵交換方式を導入するとともに、最初にIDを通知する仕組みを考案して効率的な通信手順を実現した。IDベース暗号における効率の良い認証付き鍵交換方式をTLSに適用するのは世界初となる。また、鍵交換処理において、類似した演算が何度も行われることが分かったことから、これらをまとめて実行可能にする方式を考案し、IDベース暗号における鍵交換処理の高速化を実現した。今後は、富士通研究所は2017年度の実用化を目指し、東邦大学とともに本技術を適用したIEEE 1888通信ソフトウェアをGUTP参加団体へ提供、適用拡大を図るとしている。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×