七月九日 夕方 工藤伸治
「私は事態が悪化していると判断しています」
「そんなことないさ。予想してたじゃん。予想通りに事態が進んでるのはいいことだ。それともなにかひどいことでも書いてあるのか? 十億円払えとか書いてあるのか?」
「要求金額は五十万円です。Bitcoinの口座に振り込むように指示しています。振り込まないと盗んだデータをP2Pネットに放流すると言うことです。データが添付されていました。不正にダウンロードされたものと同一です。つまり弊社の顧客データです」
オレは、あっさりと昨日までの仮説を捨てた。自慢じゃないが、オレは細かいことにはこだわらない。プライドよりも効果的、効率的な方を選ぶ。
最後に、ハンキンス氏はクラウドセキュリティ全体像を戦略メニューとして図示した。上記で説明したソリューションやツール、各種フレームワークやプラットフォームが、機能や用途ごとに俯瞰できるものだ。この図は、ガートナーのクラウドセキュリティのコンサルティングの戦略ベースを示したものといってもよい。自社のセキュアクラウドを構築するときの「レシピ」として利用することができるだろう。
幸いなことに、これらの履歴書の情報はほとんどの場合少なくとも 10 年前のものだが、それでも個人情報が多く含まれていることには変わりない。
大英図書館には多くの個性がある。独特の複雑な役割分担があり、それは法律で独自に規制されている。別の見方をすれば、ITインフラストラクチャは古くから確立されたコアサービスとの間でリソースを奪い合い、しばしば失敗するという点で、国やその他の大規模な組織の典型である。大英図書館の状況も、うまくいかないことの壮大な例にすぎない。