工藤伸治のセキュリティ事件簿シーズン6 誤算 第11回「岸田」 | ScanNetSecurity
2025.02.28(金)

工藤伸治のセキュリティ事件簿シーズン6 誤算 第11回「岸田」

そうか、作れるのか、じゃあお前が犯人だ。そんなソフトを作れるヤツはオレの知る限りどこにもいない。もしもお前が作れるならお前が犯人だ。なんてことにはならない。こいつは単に知らないのだ。

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オレは会話を切り上げた。面倒くさいヤツ。むかむかした。絶対、こいつに違いない、と半分感情的に判断した。
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七月九日 午後 工藤伸治

岸田も柳沢に似たタイプだった。左右に微妙に揺れながら、どことなく笑っているような顔だ。汚れた銀縁の眼鏡のつるを神経質に何度も指で触る。いやなクセだ。

「ええとー、どうもです。へへへ」

会議室に入ってきた岸田は、とても社会人とは思えないような挨拶をした。それからオレの顔をうかがうような目で見た。

「岸田さんだね。初めまして。オレは工藤伸治っていうもんだ。まあ、座ってよ」

《一田 和樹》
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
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