工藤伸治のセキュリティ事件簿シーズン6 誤算 第11回「岸田」 | ScanNetSecurity
2024.03.03(日)

工藤伸治のセキュリティ事件簿シーズン6 誤算 第11回「岸田」

そうか、作れるのか、じゃあお前が犯人だ。そんなソフトを作れるヤツはオレの知る限りどこにもいない。もしもお前が作れるならお前が犯人だ。なんてことにはならない。こいつは単に知らないのだ。

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七月九日 午後 工藤伸治

岸田も柳沢に似たタイプだった。左右に微妙に揺れながら、どことなく笑っているような顔だ。汚れた銀縁の眼鏡のつるを神経質に何度も指で触る。いやなクセだ。

「ええとー、どうもです。へへへ」

会議室に入ってきた岸田は、とても社会人とは思えないような挨拶をした。それからオレの顔をうかがうような目で見た。

「岸田さんだね。初めまして。オレは工藤伸治っていうもんだ。まあ、座ってよ」

《一田 和樹》

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