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七月九日 午後 工藤伸治
岸田も柳沢に似たタイプだった。左右に微妙に揺れながら、どことなく笑っているような顔だ。汚れた銀縁の眼鏡のつるを神経質に何度も指で触る。いやなクセだ。
「ええとー、どうもです。へへへ」
会議室に入ってきた岸田は、とても社会人とは思えないような挨拶をした。それからオレの顔をうかがうような目で見た。
「岸田さんだね。初めまして。オレは工藤伸治っていうもんだ。まあ、座ってよ」
七月九日 午後 工藤伸治
岸田も柳沢に似たタイプだった。左右に微妙に揺れながら、どことなく笑っているような顔だ。汚れた銀縁の眼鏡のつるを神経質に何度も指で触る。いやなクセだ。
「ええとー、どうもです。へへへ」
会議室に入ってきた岸田は、とても社会人とは思えないような挨拶をした。それからオレの顔をうかがうような目で見た。
「岸田さんだね。初めまして。オレは工藤伸治っていうもんだ。まあ、座ってよ」