警察庁は17日、2015年上半期における、サイバー空間の脅威情勢について発表した。標的型メール攻撃数の増加、探索行為の増加、不正送金事犯の被害の拡大などが見られたという。 2015年上半期も、日本年金機構からの情報流出をはじめ、さまざまなサイバー攻撃の被害が発生した。これについて、警察が把握した標的型メール攻撃は1,472件。前年同期比で1,256件、581%と大幅な増加を見せた。特徴としては、2014年下半期から「ばらまき型」攻撃が多発傾向にあるという。また、非公開メールアドレスに対する攻撃が、全体の約9割を占めていた。 また、攻撃の踏み台などへの不正使用を目的とした、サイバー空間における探索行為も増加しており、センサー(インターネットとの接続点に設置)に対するアクセス件数は、1日1IPアドレス当たり684.9件だった。 インターネットバンキングに係る不正送金事犯は、被害額約15億4,400万円。インターネットバンキングに係る不正送金事犯の被害は、昨年過去最悪を記録したが、今期は前年下半期を上回った。不正送金では、とくに信用金庫・信用組合・農業協同組合・労働金庫に被害が拡大した。 これに対し、サイバー犯罪の検挙件数は3,689件と高水準で推移。サイバー犯罪等に関する相談件数も59,073件に上った。