株式会社カスペルスキーは9月11日、ロシア語話者が関係しているとみられるサイバースパイグループ「Turla」が、衛星ネットワークの仕様を悪用して攻撃活動やその拠点を隠蔽していることを、同社の調査分析チーム(GReAT)が解明したと発表した。Turlaは、8年以上活動を続けている高度なサイバースパイグループ。これまでにカザフスタン、ロシア、中国、ベトナム、米国をはじめ、45カ国以上の政府機関、大使館、軍事組織、教育機関、研究機関、製薬企業などで大量のコンピューターをマルウェア「Epic」に感染させ、内部情報を収集している。衛星通信による下り専用インターネット接続では通信が暗号化されないため、Turlaはその通信を傍受することで正規ユーザのIPアドレスを特定し、特定したIPアドレスを指令サーバに割り当てることで隠れ蓑として悪用する。主にコンゴ、レバノン、リビア、ニジェール、ナイジェリア、ソマリア、UAEのプロバイダーのIPアドレスが悪用されているという。