ネットワークインフラの柔軟性や機敏性を高めたいというニーズを背景に、SDNをはじめ、インフラ機器をソフトウェアで制御する「ソフトウェアディファインド」の考え方が関心を集める。日本市場におけるロードバランサーのシェア11年連続トップのF5ネットワークスジャパンは、代表取締役社長に古舘正清氏を迎え、ネットワークのアプリケーション層のソフトウェア制御「Software Defined Application Service」事業を加速させるべく取り組んでいる。5月の社長就任から約2ヵ月が経過した同氏に、これまでの取り組みと今後の戦略などについて聞いた。
──まず、御社のSoftware Defined Application Service事業についてお聞かせください
当社が従来、得意としてきたロードバランサーなどの負荷分散やネットワーク最適化を担うレイヤー4(トランスポート層)や、レイヤー7(アプリケーション層)も、ソフトウェアで集中制御することにより、ビジネス環境に応じて必要な機能を拡張していく流れにあります。このレイヤー4からレイヤー7(L4-7)を統合したプラットフォームとして提供していこうという考え方が、「Software Defined Application Service」事業のコンセプトです。
2つ目は、ソフトウェア事業で、これは前述した「Software Defined Application Service」で、「BIG-IP」を用いてL4-7をプラットフォームとして統合する際に、「BIG-IQ」という管理ソフトウェアで集中管理します。F5のロードバランシングやセキュリティソフトウェアは、必要な機能のライセンスを購入し、共通プラットフォーム上で動作させることができるのですが、このソフトウェアをまとめてご購入いただくとお得ですという包括ライセンス契約が伸張しています。