株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月27日、インターネットの基盤技術に関する最新の技術動向や、セキュリティ情報を紹介する技術レポート「Internet Infrastructure Review(IIR)」のVol.27を発行した。今号では、2015年1月から3月までの3カ月間に発生したインシデントと期間中に発生したセキュリティ関連の着目すべき事象について解説している。レポートでは、不正アクセスによる情報漏えい事件、なりすましによる不正ログイン事件が引き続き発生し、いくつかの事件では金銭的な被害も出ていることを挙げている。また、第三者が管理権限を不正に取得したり、DrDoS攻撃が可能な脆弱性を持ったホームルータを狙った攻撃が継続的に発生していること、PCにプリインストールされていたソフトウェアで自己署名証明書を用いてユーザの通信を傍受していたことなど複数の問題が指摘され、話題となったも紹介している。PUA(Potentially Unwanted Application:ユーザに不必要な機能を内蔵していたり、ユーザが望まないのにインストールされてしまう不要なプログラム)の中には、企業などの組織から見れば情報漏えいに相当する働きをする悪質なものがあるとして、インストールの許諾を巧妙に利用者に取り付け、悪質なPUAをダウンロードさせる方法の具体例と対策を紹介している。このほか、迷惑メールの動向と対策技術、昨年実施した「夏の甲子園」のストリーミング配信におけるアクセスログの解析結果について取り上げている。