本連載は、社会的に影響を与えたいわゆる「ハッカー」に焦点を当て、毎回一人のハッカーについて論じるものである。ハッカーには「コンピュータを悪用した犯罪者」というイメージが強いが、本連載におけるハッカーとは、コンピュータに詳しく、自らの知識と努力によって、コンピュータやインターネットを通して社会的に大きく影響を与えた人物について述べるものである。したがって、結果的に犯罪行為とみなされる行為をした者であれ、現在のネット環境のインフラ整備をした者であれ、本連載では広く「ハッカー」と呼ぶことを最初にお断りしておく。第一回は、アメリカの外交公電をリークしたことで一躍世界中で有名になった、ジュリアン・アサンジについてみてみよう…(塚越健司)プロフィール1984年生まれ。学習院大学非常勤講師。専攻は情報社会学、社会哲学。著書に『ハクティビズムとは何か』『「統治」を創造する(編著)』『日本人が知らないウィキリークス(共著)』