企画者の中島明日香氏は、CTF for Girls 構想のきっかけは韓国で開催された女性限定CTF「Power of XX」だったと振り返る。
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本連載は、セキュリティコンサルタント 土屋アリス氏による、セキュリティカンファレンスや、サイバーセキュリティ専門家のインタビューをお届けします。今回は、多数の参加者の好評を得て、今週金曜日2014年10月17日に第2回ワークショップが開催される、CTF for GIRLS の第1回のレポートをお届けします。
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2014年6月29日、SECCON実行委員会及び日本ネットワークセキュリティ協議会による女性限定CTF「CTF for GIRLS」が東京六本木ヒルズで開催された。参加者、スタッフ、講師全てが女性限定という国内初の女性向け情報セキュリティイベントは、告知3日間で80名以上の応募が殺到し、キャンセル待ちが出るほど盛況だった。出席者の7割は社会人で3割が学生。中には高校生もいた。社会人の多くはスマホアプリやWeb開発、フォレンジック、情報セキュリティプロダクトの営業、また政府機関からも数名出席していた。
●「CTF for GIRLS」構想のきっかけ
企画者の中島明日香氏は、構想のきっかけは韓国で開催された女性限定CTF「Power of XX」だったと振り返る。
慶応義塾大学、環境情報学科に通う小林茉莉子さんは、CTF for girls に参加したきっかけを語った。小林さんは、アプリケーション開発技術を勉強している中で、この春より情報セキュリティのコースを受講している。その先輩の中には海外のCTFに参加している方もいて、知人の運営委員に勧められて参加を決めたようだ。今回の「女性限定」というのは彼女にとって「安心」だったという。現在彼女が所属している情報セキュリティのコースも9割が男性で、技術的レベルが格段に違う。なかなか質問しづらいし、質問できてもその回答が専門用語すぎて理解できないこともあるという。「女性の先輩は、質問しやすくて。とても安心してワークショップにも参加ができた」と笑顔をみせた。
CTF For GIRLSの締めくくりとして、各グループ代表1名が参加のきっかけや感想を一言コメントとして発表した。
中島氏は、女性がこの業界に入りづらい要因は情報セキュリティに触れる「機会」が少なかったからなのでは、と問う。例えば幼少の頃からパソコンで遊んだり、プログラミングについて女友達同士で語り合うことはあっただろうか。いざ社会に出ても女性と出会う機会も少ない。CTF for Girls は、同じ業界で働く女性がこれだけいて、同じ悩みを抱いていることを分かち合うことの出来る出会いの機会であり、今日出会った人達とは、今日限りではなく、これからも繋がっていて欲しいと考えており、今後もこういったきっかけを提供し続けていきたい、と語った。
《土屋アリス》