パロアルトネットワークス合同会社は7月23日、同社のセキュリティ脅威インテリジェンスチーム「Unit 42」による最新の報告書「419 Evolution」を発表した。ナイジェリアを拠点とする詐欺グループが精巧な犯罪行為にツールを応用して詐欺犯が企業の機密情報データを搾取するために展開していることを解説している。ナイジェリア419フィッシング詐欺は、ナイジェリアの犯罪者が個人のクレジットカード情報や個人情報を騙し取る手法で有名だが、その手口は簡単に見破れるものであった。しかしこの数年間で、より高度な技術を使用してターゲットを企業に拡げている。今回、パロアルトネットワークスの研究者が、同社のクラウドベースの仮想サンドボックス環境でサイバー脅威を迅速に分析するWildFireを使用して、詐欺グループの犯罪活動や技術を発見し、Silver Spaniel攻撃と命名した。特に、ナイジェリアの犯罪組織はアングラ系フォーラムで入手できるRATを使用しており、感染したシステムの完全なコントロールを奪うことができる商用の「NetWireRAT」も含まれている。Silver Spaniel攻撃と同様の攻撃が、これまでに東欧や敵対的諜報活動グループから来ている可能性がある。従来のアンチウイルスソフトや従来型ファイアウォールを回避できるように特別に設計されているため、これまで潜在的に影響力が高いナイジェリアのスパム攻撃に対して対応を行っていなかった企業への脅威が高まっているとしている。