Adobe Flash Player の Pixel Bender コンポーネントの実装に起因するバッファオーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.10.19(木)

Adobe Flash Player の Pixel Bender コンポーネントの実装に起因するバッファオーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
Adobe Flash Player の Pixel Bender コンポーネントにバッファオーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が報告されています。
ユーザが悪質な SWF ファイルを利用する Web ページを閲覧した場合、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は、先日の 4 月 28 日に Adobe 社より急遽提供されたセキュリティアップデート (APSB14-13) で解消した問題になります。
既に、この脆弱性を悪用する攻撃が確認されており、攻撃を受ける可能性が高いことが考えられるため、影響を受けるバージョンの Flash Player を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
10.0
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-0515&vector=%28AV:N/AC:L/AU:N/C:C/I:C/A:C%29


3.影響を受けるソフトウェア
Adobe Flash Player 11.7.700.275 以前 (Windows/Macintosh)
Adobe Flash Player 13.0.0.182 以前 (Windows/Macintosh)
Adobe Flash Player 11.2.202.350 以前 (Linux)
Adobe Flash Player 13.0.0.182 以前 (Google Chrome)
Adobe Flash Player 13.0.0.182 以前 (Internet Explorer (IE) 10/11)※1

※1 Windows 8/8.1 の IE 10/11 に同梱される Flash Player


4.解説
Adobe Pixel Bender は、画像や動画に効果をかけるカスタムフィルタやカスタムエフェクトなどを作成可能なプログラミング言語であり Shader (シェーダ) は、Pixel Bender のバイトコードをホストするクラスです。
Adobe Flash Player 10 以降では、この Pixel Bender をサポートしており、Pixel Bender コンポーネント (flash.Display.Shader クラスなど)※2 で Shader を扱います。

Adobe Flash Player には、flash.Display.Shader クラスにおける Shader の取り扱いに不備があるため、配列オブジェクトを操作する不正な Shader バイトコードが埋め込まれた SWF ファイルを処理した場合に、バッファオーバーフローが発生する脆弱性が存在します。
これにより、Vector オブジェクトが利用するメモリ領域が上書きされ、その結果、任意のアドレスにある不正な関数テーブルを参照させることが可能となります。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、Flash Player を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。

この脆弱性は、シリア反体制派を狙った水飲み場型攻撃として利用され、シリア法務省の Web サイト (jpic.gov.sy)※3 にエクスプロイトコードが埋め込まれていたと Kaspersky 社はブログで公表※4 しています。

※2 http://help.adobe.com/ja_JP/FlashPlatform/reference/actionscript/3/flash/display/package-detail.html
※3 シリア政府に対して意見や苦情を投稿可能なフォーラムサイト
※4 https://www.securelist.com/en/blog/8212/New_Flash_Player_0_day_CVE_2014_0515_used_in_watering_hole_attacks


5.対策
以下の Web サイトを参考に、下記のバージョンの Adobe Flash Player にアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。

Adobe Flash Player 11.7.700.279 以降 (Windows/Macintosh)※5
Adobe Flash Player 13.0.0.206 以降 (Windows/Macintosh)
Adobe Flash Player 11.2.202.356 以降 (Linux)
Adobe Flash Player 13.0.0.206 以降 (Google Chrome)
Adobe Flash Player 13.0.0.206 以降 (IE 10/11)

Adobeセキュリティ情報 APSB14-13:
http://helpx.adobe.com/jp/security/products/flash-player/apsb14-13.html

※5 なお、Adobe Flash Player 11.7.x は、2014 年 5 月 13 日付けでサポート終了となることが Adobe 社のブログで公表されています。
このため、Adobe Flash Player 13.0.0.206 以降にアップグレードすることを推奨します。

Upcoming changes to Flash Player's extended support release
http://blogs.adobe.com/flashplayer/2014/03/upcoming-changes-to-flash-players-extended-support-release.html


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
《株式会社ラック サイバー・グリッド研究所》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

脆弱性と脅威 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. OSSに潜在する訴訟・脆弱性リスク

    OSSに潜在する訴訟・脆弱性リスク

  2. 「JP1/秘文」で作成した自己復号型機密ファイルに、DLL読込に関する脆弱性(HIRT)

    「JP1/秘文」で作成した自己復号型機密ファイルに、DLL読込に関する脆弱性(HIRT)

  3. 「DLL読み込み」の脆弱性の公表件数が急増、対策方法を紹介(IPA)

    「DLL読み込み」の脆弱性の公表件数が急増、対策方法を紹介(IPA)

  4. Apache Tomcat において値検証不備により JSP ファイルがアップロード可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

  5. Apache Struts 2 において REST プラグインでの XML データ処理の不備により遠隔から任意のコードが実行可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

  6. 10月10日に「Office 2007」の延長サポートが終了、しかし40万台が今も利用(トレンドマイクロ)

  7. Apache Tomcatにおける、任意のファイルをアップロードされる脆弱性を検証(NTTデータ先端技術)

  8. マイクロソフトが10月のセキュリティ更新プログラムを公開、すでに悪用も(IPA)

  9. インシデントは「スキャン」が半数、フィッシングサイト報告件数は千件超え(JPCERT/CC)

  10. 偽の警告文を表示する詐欺サイトが急増、警察庁を装い罰金を要求するケースも(キヤノンITS)

全カテゴリランキング

特集

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×