[インタビュー]顧客満足を第一に多彩な機能を提供(クオリティソフト) | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

[インタビュー]顧客満足を第一に多彩な機能を提供(クオリティソフト)

株式会社イードが実施した「中小企業セキュリティアワード 2014」および「エンタープライズセキュリティアワード 2014」双方において、IT資産管理製品の部でクオリティソフト株式会社が部門1位を受賞した。

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株式会社イードが実施した「中小企業セキュリティアワード 2014」および「エンタープライズセキュリティアワード 2014」双方において、IT資産管理製品の部でクオリティソフト株式会社が部門1位を受賞した。

中小企業向けでは「サポート&トラブル対応に関する満足度」「費用対効果満足度(初期費用と月次費用)」、エンタープライズ向けでは「サポート満足度」で、それぞれ1位となった。そこで今回、同社の代表取締役社長兼COOである久保統義氏に同社の取り組みや「QNDシリーズ」について話を聞いた。


--クオリティソフトと「QNDシリーズ」の歴史や強みについて教えてください。

弊社は1984年にクオリティサービス株式会社として創業し、1993年にMac用のネットワークライセンス管理ソフト「KeyServer」を発売しました。当時マイクロソフトやアドビシステムズなどが発行していた同時使用ライセンスを管理する製品でした。その後、ライセンス形態の変遷に対応する形で「QND Plus」としてIT資産管理機能を付加しました。QNDは「クオリティ・ネットワーク・ディストリビュータ」の略です。

当時、日本にはIT資産管理製品そのものが無く、製品に対する需要も数千台規模以上の企業が中心でした。そのような企業に対して独占的に製品を提供しながら大規模企業での導入および運用ノウハウを蓄積しました。その後2005年に個人情報保護法が施行された際には法制度に迅速に対応し、ソフトウェアからの情報漏えいが社会的な問題になった際には、ソフトウェアの起動制御機能を追加しています。

現在では、ソフトウェアのメーカーがライセンス調査を行うことが多くなったことを背景に、ソフトウェアの棚卸しを容易に行い、正しく利用されていることを裏付けるためのレポート作成が可能になっています。このように、常に時代のニーズを捉えて求められる機能を強化、追加してきました。

またライセンス管理の為だけでなく、セキュリティ対策の為の辞書化にも迅速に対応しています。つい先日話題になった「Baidu IME」や「GOM Player」も、当日から翌日には対応機能を提供しています。アドビの脆弱性対策やマイクロソフトのセキュリティパッチにも可能な限り素早く対応することを心掛けています。


--アワードをダブル受賞できた要因について、どのようにお考えでしょうか。

この背景には日頃エンドユーザの一次サポートをお願いしている販売パートナー様の存在があります。エンドユーザの環境や運用を熟知しているのはもちろん、弊社製品の技術認定資格も年間100名ほど取得していただいており、質の高いサポートを提供されている結果だと実感しております。更に弊社では、常に顧客の満足を第一に製品を開発し、運用を見据えたサポートに力を入れてきました。今回の受賞は、その努力の結果でもあるのではないかと考えています。特にサポート面では、3つのことに注力しています。

1つ目は製品を使い続けていただくための活動です。例えば常に高いレベルでサポートを提供するために、担当者変更時用の引き継ぎキットを提供しています。仮に保守を更新していただけない場合にはアンケートをお願いして、その理由をシステマティックに集めています。内容は毎月実施する社内の報告会で公開、必要があればすぐにプロジェクトで対応しています。

2つ目は、南紀白浜にサポートと開発拠点を置いていることです。これは要員の強化と雇用の継続を目的としたもので、IT系の企業が少ない南紀白浜の地域活性化にも寄与したいと考えて拠点を構えています。地方にいながら実際の企業における運用状況を把握するために、定期的に東京や大阪の営業現場に赴いてもらい、企業の現状に即したサポート体制の構築と開発を行っています。

3つ目は、営業担当のスキルアップです。エンドユーザの満足度向上のために、顧客の状況や業界トレンドを常に把握して社内で共有しています。ただ販売するだけでなく、運用面でもお客様にご満足いただけるよう努力しています。

この3点への注力の結果、ライセンスの更新率は97~98%となっています。
また最近では一度他社製品に乗り換えた後に再び弊社製品を選んでいただく例が増えており、これは実際に他社製品を利用したうえで弊社の製品を評価していただいているということなので、非常に喜ばしく思います。


--中小向けとエンタープライズ向けで戦略は異なるのでしょうか。

QNDシリーズで言いますと、IT資産管理、ライセンス管理のほか、セキュリティ統制やPC操作ログの取得、外部メディアの制御といった機能が統合されていますので、企業規模に関係なく利用することが可能です。特に戦略を分けているということはありませんが、最近では大企業では資産管理機能を中心に活用し、中小規模企業ではログ機能を活用する傾向にあるようです。

大企業は、たとえばメールはメールサーバで管理するなど、専用の機器やソリューションを数多く導入しているので、IT資産管理機能を主に活用されているのだと考えています。一方、中小規模企業ではログ機能を中心に足りない機能をQNDシリーズでカバーできるメリットを活用していただいている印象です。


--今後の展望や展開について教えてください。

企業でのIT環境は今後ますます複雑化するでしょう。今後はVDI環境が普及することが挙げられます。ユーザにとっての自由度や利便性が上がる一方で、企業にとってはリソースの管理やクライアントの管理も求められるでしょう。
弊社ではマルチデバイス管理ツールとして「ISM CloudOne」を提供しており、VDI環境への対応を行いながら、「QNDシリーズ」との連携を実現しています。

また企業規模によらず、TCO削減も企業の大きな課題になるでしょう。弊社ではOPEX(運用コスト)の削減に寄与したいと考えています。システム管理者の運用負荷を可能な限り下げることで、コスト面からも企業にメリットを提示していきます。

また今後はマニュアルの充実にも今後取り組んでいきます。弊社では製品のマニュアルとして、QNDシリーズの新規ユーザに向けた入門編の動画を提供しています。スムーズに導入と運用を行っていただくための手段として、動画という手段は最適であると考えました。動画を見ることで、セミナーに参加しなくても製品や設定方法などを知ることが可能です。動画は今後も増やしていく予定です。

さらに弊社では、2002年に中国にも拠点を作っており、サポートも現地で行っています。主に中国へ進出した企業の現地拠点を対象に展開していますが、こちらにも引き続き注力していきます。また、こういった海外拠点には、「ISM CloudOne」と「QNDシリーズ」を組み合わせたソリューションも有効であると考えています。


--最後に、アワード受賞へのコメントお願いします。

アワードを受賞できたことは大変嬉しく思います。しかも、私たちが一番力を入れているサポートの部門で受賞できたことは光栄です。来年も受賞できるよう、営業、開発、サポートそれぞれの面からより一層の努力をしてまいります。その中でシステム運用のコスト削減に貢献し、多様なデバイス、多様なインフラへの対応も行っていきます。


--ありがとうございました。
《吉澤 亨史》

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