トレンドマイクロ株式会社は11月19日、2種類の攻撃特性を併せ持った、通常とはかなり異なるスパムメールを11月上旬に確認したと同社ブログで発表した。このスパムメールは一般的なものと異なり、不正なWebサイトへのリンクと不正な添付ファイルの両方が含まれていた。スパムメールにリンクされたURLは、大抵が改ざんされたWebサイトであり、BHEK(Blackhole Exploit Kit)で使用されるJavaScriptのファイルに類似したファイルに誘導する。これらのJavaScriptのファイルが、エクスプロイトキットにつながるランディングサイトに誘導するのかは確認できていないが、同社が確認した改ざんWebサイトに加えられたコンテンツは、BHEKの一連の活動で利用されたものとほぼ一致していた。不正な添付ファイルは、ダウンローダ「UPATRE」の亜種「TROJ_UPATRE.SMB」として検出される。このダウンローダは、感染したPCにオンライン銀行詐欺ツール「ZBOT」の亜種をインストールする。これが長期的に何を意味するかは不明だが、攻撃者が長期的な「解決策」として、BHEKの代わりとなる他のエクスプロイトキットに移行し始めている可能性も指摘している。