Internet Week 2013 セキュリティセッション紹介第6回「インターネット対応を迫られる法制度~著作権とプライバシー」 | ScanNetSecurity
2024.04.20(土)

Internet Week 2013 セキュリティセッション紹介第6回「インターネット対応を迫られる法制度~著作権とプライバシー」

6回目となる今回は、3日目の11月28日午後に行われるプログラム「インターネット対応を迫られる法制度~著作権とプライバシー」について、日本ネットワークインフォメーションセンターの山崎信氏および日本インターネットプロバイダー協会の秋山卓司氏に語っていただいた。

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11月26日から11月29日にかけて、一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)主催の「Internet Week 2013 ~荒ぶるインターネットを乗りこなす~」が、秋葉原の富士ソフトアキバプラザで開催される。

「Internet Week」は、インターネットに関わる主にエンジニアを対象に、最新動向セッションとチュートリアルを織り交ぜ、計40近くものセッションが会期中に行われる、年1度の非商用イベントだ。

今回のテーマは「荒ぶるインターネットを乗りこなす」。「荒ぶる」とは何やら穏やかではないが、インターネットが、今までに増して利用され、パワフルとなる一方で、「セキュリティ」についてもかつてないほどに叫ばれるようになっている。こうした荒ぶるインターネットを乗りこなすことで、さらなる進化を許容し、価値の高いインターネットを実現していこうと、このテーマとしたということだ。

本連載では、このInternet Week 2013のセッションのうち、情報セキュリティに関する10セッションを選んで、そのセッションの見どころ・意義・背景などを、各セッションのコーディネーターに語ってもらう。

6回目となる今回は、3日目の11月28日午後に行われるプログラム「インターネット対応を迫られる法制度~著作権とプライバシー」について、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)の山崎信氏および日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)の秋山卓司氏に語っていただいた。

――インターネットでは、著作権、そしてプライバシーの問題についてよく聞かれますが、具体的にはどういう経緯などがあるか教えていただけますか?

秋山:インターネットが広く利用されるようになるとともに利用可能な帯域が増大することで、さまざまな形態のコンテンツを運ぶことができるようになってきたため、著作権侵害事例が発生するようになりました。一方、現在の法制度は必ずしもインターネットを想定したものではないため、以前には想像もつかなかった利用のされ方により、齟齬が生じているのも事実です。

――その齟齬、というのは大きくなりつつありますよね。現在、どの程度、荒ぶっているのでしょうか?

山崎:著作権については、法制度がそもそもネット時代に即しているのかという点で、以前から摩擦がありました。また、プライバシーについては、ビッグデータが言われるようになる前から、炎上事件を数々起こしているのが現状です。これらを鑑みると、かなり根源から考えなくてはならないという点で、荒ぶるネタであることは確かといえるでしょう。

――具体的には、どのような課題や意見の対立があるのでしょうか?

秋山:いくつか例があります。

著作権の例では、とある企業が新たにインターネットを利用したサービスを開始した際、コンテンツホルダーまたはディストリビューターより訴えられた、ということがありました。

山崎:また、プライバシーの観点では、今、ビッグデータが騒がれていますがビッグデータを活用しようとして外部の組織にデータを販売した企業が、データの匿名化について十分でない点があったため、バッシングを受けた、という例もありました。

――なるほど、そういった問題の解決は、現行の法制度をいじらないで解決できるのか、そもそも法制度の変更が可能なのか、条約や海外の法制度との整合性、などを考えると難しいですね。その中で、このセッションで、アピールしたいポイント、特に注目してほしいポイントはどんな点なのでしょうか?

山崎:技術とインフラの発達を背景として、これまでは実現不可能だったアイデアが次々と現実のものになっています。それは我々の生活をより豊かなものにする一方で、新たな脅威の源泉でもあります。さらなる発展のためには、ルールの制定が必要かもしれません。

新たなルールが決まる際には、多くの場合において既存のルールにおける権利者の主張が取り入れられ、また過去の技術や制度を手本としてきました。次々と現れる「これまでにない事例」に対応するには、それが最も自然な手段であったことでしょう。しかし一方でインターネットという技術が数多くの一昔前の前提をひっくり返したことで、増築を重ねてきたこれまでのルールに限界が見えてきているのもまた多くの方々が感じていることかと思います。法制度は絶対不変ではなく、その時代によって実現されている技術を前提として公益に資する形に進化するべきものではないでしょうか。

「著作権」「プライバシー」ともに、国内外の最新動向を紹介するとともに、今後のあるべき姿について考察できるセッションになるとよいと考えています。

――特にどのような方に聴きにきてほしいと考えていますか?

秋山:インターネット関連の各事業者において法務に直接関わっている方々に加えて、インターネットの特質を理解し、また一番近い場所でそれを支える技術者の方に聴いていただきたいですね。

対応を重ねてきた法制度の現状を知っていただくとともに、将来のインターネットのために今我々にどのような選択肢があるのかを考えるきっかけにしていただければと思います。多くの方のご参加をお待ちしております。

●プログラム詳細

「S9 インターネット対応を迫られる法制度~著作権とプライバシー」

- 開催日時:2013年11月28日(木)13:00~15:30
- 会場:富士ソフト アキバプラザ
- 料金:事前料金 5,000円/当日料金 7,000円
- https://internetweek.jp/program/s9/

13:00~14:15
1) 著作権
市川 穣(虎ノ門南法律事務所)

14:15~15:30
2) プライバシー
鈴木 正朝(新潟大学法学部)


※特典:このセッションに申し込まれた方には、 「Scan Tech Report (年間
購読定価10,332円)」もし くは 「情報セキュリティ 総合情報メールマガジ
ンScan(年間購読定価10,080円)」の無料プレゼント があります。

※時間割、内容、講演者等につきましては、予告なく変更になる場合があります。

Internet Week 2013
https://internetweek.jp/
《ScanNetSecurity》

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