トレンドマイクロ株式会社は7月26日、台湾の中小企業がどのような攻撃を受けているのか、また事例から他の企業は何を学べるのかをブログで解説している。台湾の多くの中小企業は、適切なセキュリティ保護の意識が低いまま、独自のネットワーク内からWebサーバを使用している。事業の経営を最優先としていることが、攻撃の格好の的となるセキュリティ上危ういサーバ状況を作り出しているという。トレンドマイクロは5月30日、DoS攻撃を受けた匿名企業(企業A)から調査の依頼を受けた。しかし同社が確認したのはまったく別の問題であった。企業Aのサーバはすでに改ざんされている状態で、この企業のActive Directory(AD)のサーバをも制御できる状態になっていた。この改ざんにはWebサーバ上の脆弱性が利用されていた。そして、少なくとも2者の異なる攻撃者から攻撃されていたことも確認できた。そのひとつの攻撃は4月24日以前、もうひとつはそれ以降に仕掛けられていた。多くの企業では、単純にコンピュータを再インストールして修復し、通常業務へと戻るが、これでは問題の根源である脆弱性と危険にさらされたWebサーバの対策が行われず、攻撃者はいとも簡単に侵入し何度も標的のネットワークへバックドア型不正プログラムを仕掛けることができる。今回の事例では、ユーザのアバターとしてアップロードされた画像が、Webサーバを制御するスクリプトを挿入するのに使われていた。