自著を語る「HTTPの教科書」上野 宣(ブックレビュー) | ScanNetSecurity
2024.04.20(土)

自著を語る「HTTPの教科書」上野 宣(ブックレビュー)

Webやインターネットが何かを知っていても、ブラウザのアドレス欄に入力している「http://」で始まるその「HTTP」が何だかを説明できるだろうか。

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Webやインターネットが何かを知っていても、ブラウザのアドレス欄に入力している「http://」で始まるその「HTTP」が何だかを説明できるだろうか。

ほとんどの人々はできなくても仕方がない。Webページを作っているデザイナーや、Webサイトを作っているエンジニアですら「HTTP」がどういう役割で、どのように動いているのかを説明できない人が多い。

「HTTP」は「プロトコル」の一種で、「プロトコル」とは約束事のことである。二者の間で会話を成り立たせようとするなら、お互いがわかる言葉で話すといった会話の約束事を守らなければならない。

HTTPは「Hypertext Transfer Protocol(ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)」の略称で、Webを使うとき、お互いが守るべき約束事がこの「HTTP」である。

「この10年でのWebの世界での最大のイノベーションは?」という質問に対して、少なくない人が「Googleマップ(Google Maps)」と答えるだろう。2005年に現れたこの地図サービスは、ブラウザの中で地図がスムーズにスクロールし、自在に拡縮できるという、これまでのさまざまなWeb上のサービスの常識を覆すものだった。これが登場したときの衝撃は忘れられない。

このイノベーションは、ただのアイデア勝負でもただのマーケティングの勝利でもない。「HTTP」というプロトコルを知り尽くし、使いこなしたからこそ世の中に迎え入れられたのである。

「HTTP」を知らなくてもWebページはデザインできるし、Webサイトを構築することはできる。しかし、それだけでは「Googleマップ」のようなサービスも、「Facebook」や「Twitter」のような使い勝手のよさも作り出すことはできない。

「HTTP」はWebの基礎であり、根幹であると考える筆者は「HTTPの教科書」を執筆した。「HTTP」を熟知すれば、Webの世界に新たなイノベーションを起こすことも可能かも知れない。今こそ「HTTP」を学ぶべきだろう。


「HTTPの教科書」 著:上野宣 2013年5月24日 翔泳社刊
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