DDoS 攻撃の現状 (1) 傾向と動機 | ScanNetSecurity
2025.02.28(金)

DDoS 攻撃の現状 (1) 傾向と動機

 そもそも、従来型のDDoS攻撃の発生する理由は「嫌い」ということなんです。実際に、現在でも個人の喧嘩や特定の企業に対する恨みなどから、DDoS攻撃に至る場合があります。ハクティビズムでは、「その嫌いな部分を直せ」ということが主張されます。直すまで攻撃し続けるぞ、と。「俺に刃向うと痛い目に遭うんだぜ」という喧嘩のロジックと同じです。

特集
「昔に比べて今は戦争みたいな状況になっている、ということはありません」 株式会社インターネットイニシアティブ サービスオペレーション本部 セキュリティ情報統括室長 齋藤 衛 氏
 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したISP事業者であり、古くから情報セキュリティ対策にも積極的に取り組んでいる。

 同社サービスオペレーション本部 セキュリティ情報統括室長 齋藤 衛 氏にDDoS攻撃の現状と、ISPにおけるDDoS攻撃対策への取り組みについて話を聞いた。

―― 最近ハクティビストによるDDoS攻撃が多く報道されており、数が増えているのではないのかという印象を受けます

 確かに全体の攻撃の件数は多少は増えているのですが、この5年ほどは、実はそれほど大きくは変わっていません。たとえばIIJが2008年から四半期ごとに公開している技術レポートIIR(Internet Infrastructure Review http://www.iij.ad.jp/company/development/report/iir/index.html)では、DDoS攻撃の様子も示していますので5年前と現在の様子を比較することができます。Anonymousに代表されるハクティビズムでは、その主義を主張する手法の一つとしてDDoS攻撃を実施することがあります。特定の国や大企業に対するDDoS攻撃が実施され、主義主張とともに一般のニュースで取り上げられる機会が増えたために、攻撃の数が増えたという印象を与えるのではないでしょうか。攻撃の規模については、攻撃する側のICT環境が整備されるにつれて、大きくはなってきています。ただ、状況として、昔に比べて今は戦争みたいな状況になっている、ということはありません。

《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》

関連記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 永世名誉編集長 りく)

×