DDoS 攻撃の現状 (1) 傾向と動機 | ScanNetSecurity
2024.08.14(水)

DDoS 攻撃の現状 (1) 傾向と動機

 そもそも、従来型のDDoS攻撃の発生する理由は「嫌い」ということなんです。実際に、現在でも個人の喧嘩や特定の企業に対する恨みなどから、DDoS攻撃に至る場合があります。ハクティビズムでは、「その嫌いな部分を直せ」ということが主張されます。直すまで攻撃し続けるぞ、と。「俺に刃向うと痛い目に遭うんだぜ」という喧嘩のロジックと同じです。

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「昔に比べて今は戦争みたいな状況になっている、ということはありません」 株式会社インターネットイニシアティブ サービスオペレーション本部 セキュリティ情報統括室長 齋藤 衛 氏
 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したISP事業者であり、古くから情報セキュリティ対策にも積極的に取り組んでいる。

 同社サービスオペレーション本部 セキュリティ情報統括室長 齋藤 衛 氏にDDoS攻撃の現状と、ISPにおけるDDoS攻撃対策への取り組みについて話を聞いた。

―― 最近ハクティビストによるDDoS攻撃が多く報道されており、数が増えているのではないのかという印象を受けます

 確かに全体の攻撃の件数は多少は増えているのですが、この5年ほどは、実はそれほど大きくは変わっていません。たとえばIIJが2008年から四半期ごとに公開している技術レポートIIR(Internet Infrastructure Review http://www.iij.ad.jp/company/development/report/iir/index.html)では、DDoS攻撃の様子も示していますので5年前と現在の様子を比較することができます。Anonymousに代表されるハクティビズムでは、その主義を主張する手法の一つとしてDDoS攻撃を実施することがあります。特定の国や大企業に対するDDoS攻撃が実施され、主義主張とともに一般のニュースで取り上げられる機会が増えたために、攻撃の数が増えたという印象を与えるのではないでしょうか。攻撃の規模については、攻撃する側のICT環境が整備されるにつれて、大きくはなってきています。ただ、状況として、昔に比べて今は戦争みたいな状況になっている、ということはありません。

《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》

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