DDoS 攻撃の現状 (1) 傾向と動機 | ScanNetSecurity
2024.07.31(水)

DDoS 攻撃の現状 (1) 傾向と動機

 そもそも、従来型のDDoS攻撃の発生する理由は「嫌い」ということなんです。実際に、現在でも個人の喧嘩や特定の企業に対する恨みなどから、DDoS攻撃に至る場合があります。ハクティビズムでは、「その嫌いな部分を直せ」ということが主張されます。直すまで攻撃し続けるぞ、と。「俺に刃向うと痛い目に遭うんだぜ」という喧嘩のロジックと同じです。

特集
「昔に比べて今は戦争みたいな状況になっている、ということはありません」 株式会社インターネットイニシアティブ サービスオペレーション本部 セキュリティ情報統括室長 齋藤 衛 氏
 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したISP事業者であり、古くから情報セキュリティ対策にも積極的に取り組んでいる。

 同社サービスオペレーション本部 セキュリティ情報統括室長 齋藤 衛 氏にDDoS攻撃の現状と、ISPにおけるDDoS攻撃対策への取り組みについて話を聞いた。

―― 最近ハクティビストによるDDoS攻撃が多く報道されており、数が増えているのではないのかという印象を受けます

 確かに全体の攻撃の件数は多少は増えているのですが、この5年ほどは、実はそれほど大きくは変わっていません。たとえばIIJが2008年から四半期ごとに公開している技術レポートIIR(Internet Infrastructure Review http://www.iij.ad.jp/company/development/report/iir/index.html)では、DDoS攻撃の様子も示していますので5年前と現在の様子を比較することができます。Anonymousに代表されるハクティビズムでは、その主義を主張する手法の一つとしてDDoS攻撃を実施することがあります。特定の国や大企業に対するDDoS攻撃が実施され、主義主張とともに一般のニュースで取り上げられる機会が増えたために、攻撃の数が増えたという印象を与えるのではないでしょうか。攻撃の規模については、攻撃する側のICT環境が整備されるにつれて、大きくはなってきています。ただ、状況として、昔に比べて今は戦争みたいな状況になっている、ということはありません。

《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》

編集部おすすめの記事

特集

特集 アクセスランキング

  1. Non State Actor 図鑑(7)全世界全情報の信用 裏からコントロールします(キリッ) NewsGuard 社

    Non State Actor 図鑑(7)全世界全情報の信用 裏からコントロールします(キリッ) NewsGuard 社

  2. メール誤送信事故多発で悪名高いドッペルゲンガードメイン「gmai.com」はどこの誰が保有しているのか?

    メール誤送信事故多発で悪名高いドッペルゲンガードメイン「gmai.com」はどこの誰が保有しているのか?

  3. 今日もどこかで情報漏えい 第26回「2024年6月の情報漏えい」ふたつの “完全には否定できない” 違いは どこを向いているか

    今日もどこかで情報漏えい 第26回「2024年6月の情報漏えい」ふたつの “完全には否定できない” 違いは どこを向いているか

  4. 今日もどこかで情報漏えい 第25回「2024年5月の情報漏えい」“いたずらに混乱” しているのは誰

  5. セキュリティの仕事を極めるためのリファレンスガイド 第1回「セキュリティは人間臭い仕事」

  6. [インタビュー] セキュリティ診断会社の「脆弱性を見つける以外のシゴト」(NTTデータ先端技術)

  7. 日本プルーフポイント増田幸美のセキュリティ情報プレゼンテーション必勝ノウハウ

  8. [インタビュー] セキュリティ診断で検知される脆弱性の傾向に変化あり(NTTデータ先端技術)

  9. 無貌の蜘蛛Xunleiが世界を食う~世界最大のP2Pネットワークが匿名最終兵器になる日

  10. 今日もどこかで情報漏えい 第3回「クレジットカード情報漏えい顛末記」

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×