トレンドマイクロ株式会社は2月20日、利用者数が1億人を突破した「LINE」が悪質な広告を配信する媒体として攻撃者の注目を集めているとして、同社ブログで事例を紹介している。NHN Japanが提供する「LINE」は、スマートフォンやPCなどで無料通話やチャットを楽しめるコミュニケーションアプリ。台湾やタイ、インドネシアなど東アジア地域を中心に利用者が拡大していることも特徴だ。この「LINE」をターゲットとする迷惑メッセージが多数確認されている。サクラサイトへの誘導手段として「LINE」が悪用されたケースでは、運営実体のないソーシャルメディアサイトを装って「知人から招待状が届いております」というメッセージで誘導する手法も知られており、サイトをスマートフォンアプリのように見せかけるケースが確認されている。誘導先のサイトはアップルやAndroidの公式アプリストアに似せてあり、インストールボタンをタップすると、インストールしているような動画を再生する。さらに「開く」をクリックするとアプリの起動画面が表示され、登録画面に遷移する。また、無料で「スタンプ」を入手できるとしてTwitterアカウントを収集するものも確認されている。さらに台湾ではFacebookを悪用するケースもあり、攻撃者は複数のSNSのアカウント情報を入手することで、個人識別性の高い情報を作り出そうとしているとみられる。トレンドマイクロでは「LINE」を安全に使うための注意事項として「『IDの検索を許可』はオフにする」「トークを遮断できる『ブロック』機能を使う」「LINEトークのリンクはクリックしない」「セキュリティ対策製品の『Web脅威対策』『ペアレンタルコントロール』機能を使う」を挙げている。