CA Security Reminder は、コンシューマライゼーションが進行する企業情報システムの情報セキュリティとアイデンティティ管理について考えます。CA Technologies の Joshua Brickman が、自身が携わったセキュリティ要件について、その経緯と特徴を解説します。--7月にBooz Allenが最初のエンタープライズ・マネジメントのプロテクション・プロファイル (ESM PP)をリリースすると発表したとき、私は大きな達成感を覚えました。発足当初からこのプロジェクトを率いてきた者の1人として、現在のように複数団体の連携を図るまでにどれだけの苦労があったか知っているからです。これまでに実施してきた活動は以下のとおりです。・2008年9月韓国の済州島で開催された国際コモンクライテリア会議(ICCC)で新しい ESM PPを提案しました。その後数カ月のうちに、Booz Allen (BAH) とCAが ESM PP Technical Community (BAH のEric Winterton氏と私が共同で会長を務める)を設立しました。 ・2009年9月ノルウェのトロムソで開催されたICCCにおいて 、Ericと私が実際に最初のプロテクション・プロファイルを執筆するという計画を説明し、これに詳細な脅威分析(BAHが実施)と最初のESM PPに含めて欲しいものを見極めるための商用オフザシェルフ製品購入者調査(お客様の声)が含まれることになりました。脅威分析と調査は、すべて2010年冬までに完了しました。 ・2010年9月トルコのアンタルヤでICCCが開催される直前に、このブログに作業の進捗レポートを掲載しました。ICCCでは調査結果の全貌を報告し、2010年10月にはブログで最初のPPがアクセス制御になると紹介しました。それから、私達は実際にPPを執筆する作業に取り掛かりましたが、NIAPやそれが目指すところよりかなり先んじてしまっていることに気付きました。私たちがアシュアランス要件、セキュリティ機能、その他の技術的詳細に合意すべく懸命に努力する一方、NIAPはネットワーク・デバイス・プロテクション・プロファイル(NDPP)を展開していました。NIAPはNDPPを次のように説明しています。「これは、「従来型」プロテクション・プロファイルが進化したものであり、ドキュメントに含まれる要件について進化に伴う評価を行うものです。」私達に影響を与えた主なデータポイントは、アシュアランス要件がプロテクション・プロファイルに入っていること、そしてすべての評価活動が達成可能、検証可能、客観的、反復可能ということでした。つまり、ラボが評価を実施する際、いかなることにも「判断」を要してはならないということです(合格/不合格の判定は主観的にはなりえません)。2011年に、完成させていた作業のチェックをNIAPから受けたとき、私達はアクセス制御とNDPPを再び整合させるために大幅な書き直しを迫られました。私達のPPには専門家の判断を要するアシュアランス・コンポーネントが含まれ、方法や評価者のスキルによって評価にばらつきが発生する可能性がありました。最終的に、このスポンサと袂を分かつか(あまり良い選択ではありません)、スポンサの要件に合わせてPPを書き直す必要があると気づいたのです。この話は3月に私のブログに書いた通りです。私達はNIAPの要件を採用することにし、修正作業にはNIAPに積極的に関わってもらうことにしました。2月にアクセス制御 を、また5月にポリシ・マネジメントを出した今、アイデンティティとクレデンシャル・マネジメントおよび認証サーバも間もなく出せるものと確信しています。ただ、お客様にどう受け止められるのかは分かりません。同一条件で公平な比較をしてもらえるのか? 客観的、反復可能、達成可能な評価でアシュアランスが提供されるのか? 時が経ってみなければ分かりません。(Joshua Brickman)筆者略歴:コモンクライテリアの専門家として、CA Technologies の多数の製品を牽引する他、CAのアクセシビリティ・プログラムにも関わる。