9月15日から、満州事変勃発記念日である9月18日にかけて、中国各地で反日デモが予定されている。釣魚島問題をめぐり「抵制日貨」(日本製品ボイコット)を旗印に掲げて街中を練り歩く今年の反日デモでは、いわゆる「サイバー攻撃」の出番がほとんど見られない。そんな中、四川省のハッカーが集うQQグループ「反日聯盟-四川(36767169)」にて、一部のハッカーが執拗に三井住友銀行(SMBC)のWebサーバーにDoS攻撃を実行しつつ、また他の参加者にも攻撃を呼びかけ、攻撃ツールの配布を行っている。なおQQでは、9月9月の反日デモについては大きな盛り上がりを見せていることと対照的に、10日以上も行方不明になっている習近平国家副主席や、「暗殺未遂」が噂される賀国強中央政治局常務委員の動静に関しては、まったくの静けさを保っている。李剛事件や高速鉄道事故で見せた中国ネットユーザーの反政府的「お祭り」が、谷開来裁判(8月20日。前回の反日デモとほぼ同時期)では何の騒ぎにもならなかったことを思い起こすと、今回9月の反日デモもまた「持たざる若者たちを暴徒化する」ことで一種のガス抜きを果たしつつ、反政府的な世論動向を押さえて党第18回全国代表大会(18全大会)を迎えようとする、中国政府の「官製デモ」の感がぬぐえない。しかし習近平らの行方不明で、肝心の18全大会の予定すら未だに立っておらず、この、超がつくほどの異常事態に、中国ネットユーザーがほとんど騒がず、代わりに反日デモ祭りに明け暮れている。これが政府コントロールのデモでないのなら、いったい何なのだろう。※重要な注意 記事及びリンク先に含まれるURL、メールアドレス、電話番号その他にアクセスした場合、あなた自身が危険にさらされたり、犯罪に荷担したとみなされる可能性があります。十分にご注意ください(Vladimir)筆者略歴:infovlad.net 主宰。中国・北朝鮮・ロシアのセキュリティ及びインテリジェンス動向に詳しい