金融機関を標的とする新たな攻撃「Operation High Roller」(マカフィー) | ScanNetSecurity
2024.03.19(火)

金融機関を標的とする新たな攻撃「Operation High Roller」(マカフィー)

マカフィーは、同社とGuardian Analytics社による共同レポート「『Operation High Roller』に関するレポート」についてブログで紹介している。

脆弱性と脅威 脅威動向
マカフィー株式会社は6月26日、同社とGuardian Analytics社による共同レポート「『Operation High Roller』に関するレポート」についてブログで紹介している。「Operation High Roller」は、金融機関に対する新たな脅威。「Operation Aurora」や「Stuxnet」といった脅威レベルを大幅に上回り、今までの一般的な防御策では対応できないレベルまで達したとしており、金融機関に対する新たな脅威の始まりを示唆するサイバー攻撃としている。

60台に及ぶ不正行為を行うサーバを取り押さえ、調査した結果、ヨーロッパの国々、米国とコロンビアにおける各種金融機関と、世界の数千に及ぶ企業と大金を預金していた個人が被害を受けた。従来のSpyEyeやZeusなどのマルウェアを使用した攻撃と大幅に違う点として、下記を挙げている。

1:人手を介在することなく自動的に口座からある一定の金額を吸い上げるシステムを構築し、迅速に広範囲な攻撃を実施する
2:Man-in-the-Browser(MITB)攻撃により、被害者のクライアントからの不正送金指示だけではなく、認証情報を盗んだ後、不正サーバより銀行ポータルサイトにアクセスし、不正送金を自動的に指示する
3:出し子がすぐに捕まらないよう海外に送金し、出し子から詐欺組織への送金はWestern UnionやLiberty Reserveなどのインターネット通貨サービスを利用して匿名性を高めている
4:攻撃者は内部の金融システムに精通しており、金融機関が有している不正口座取引検知システムに検知されないよう攻撃する
5:不正送金が終了した後も、取引内容をユーザへ通知するメールを自動的に削除し、巧みに隠ぺい工作を働く
6:欧州の金融機関で標準的に使われているICカードによる二要素認証を迂回し攻撃する

これらの巧みな攻撃により、実質2カ月間という短期間で最低でも6,000万ユーロから最高20億ユーロ(日本円約60億から2,000億円)の詐欺を働いている。今回のような攻撃に対しては、ユーザひとりひとりが注意を払い、その上で利用する端末のPCの耐性を根本的に上げる必要があるとしている。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

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