Microsoft Windows の OLE オブジェクト処理に起因する任意コード実行の脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.17(日)

Microsoft Windows の OLE オブジェクト処理に起因する任意コード実行の脆弱性(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
Microsoft Windows の OLE コンポーネント (ole32.dll) には、OLE オブジェクトを処理する際にプロパティのデータ型を適切に変換しない脆弱性が存在します。
ユーザが悪質な OLE オブジェクトを含む Office ドキュメントを閲覧した場合、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は、Luigi Auriemma 氏が 2011/3/16 に発見し、Microsoft が昨年末の 2011/12/13 にアドバイザリと共にセキュリティ更新プログラムを公開した少し古い問題 (MS11-093) となりますが、悪用された場合の影響度が高く、標的型攻撃などに悪用される可能性も考えられるため、対象のユーザは速やかに以下の対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2011-3400&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29


3.影響を受けるソフトウェア
Microsoft Windows XP SP3
Microsoft Windows XP Professional x64 Edition SP2
Microsoft Windows Server 2003 SP2
Microsoft Windows Server 2003 x64 Edition SP2
Microsoft Windows Server 2003 with SP2 for Itanium-based Systems


4.解説
Object Linking and Embedding (OLE) は、組み込みまたはリンク機能を利用することによって、複数のアプリケーション間でデータやオブジェクトの連携を可能にする技術です。

Microsoft Windows の ole32.dll には、CPropertyStorage::ReadMultiple() 関数において、Office ドキュメントなどに含まれた OLE オブジェクトのプロパティを変換する際に String 型のプロパティを Variant 型のプロパティとして処理してしまう不備があります。
このため、Office アプリケーションを介して、プロパティに不正なデータが指定された OLE オブジェクトを含む Office ドキュメントを処理した場合に、当該プロパティの先頭の 4 バイトを vtable ポインタとして扱ってしまうため、意図しないメモリ領域を参照してしまう脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、Office アプリケーションを実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。


5.対策
以下の Web サイトを参考に、それぞれの Microsoft Windows OS に対応する適切なパッチ (MS11-093) を入手し適用することで、この脆弱性を解消することが可能です。
また、信頼されないソースおよび場所の Office ドキュメントを開かないことが Microsoft より推奨されています。

MS11-093:
http://technet.microsoft.com/security/bulletin/MS11-093


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《吉澤 亨史》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

脆弱性と脅威 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. OSSのデータ収集ツール「Fluentd」に任意コマンド実行などの脆弱性(JVN)

    OSSのデータ収集ツール「Fluentd」に任意コマンド実行などの脆弱性(JVN)

  2. 送信者を偽装できる脆弱性「Mailsploit」に注意、メールソフト別対応状況一覧(JPCERT/CC)

    送信者を偽装できる脆弱性「Mailsploit」に注意、メールソフト別対応状況一覧(JPCERT/CC)

  3. 複数のTLS実装に、暗号化通信データを解読される脆弱性(JVN)

    複数のTLS実装に、暗号化通信データを解読される脆弱性(JVN)

  4. 「Microsoft Office 数式エディタ」に任意コード実行の脆弱性(JVN)

  5. 8以降のWindowsに、特定のメモリアドレスのコードを悪用される脆弱性(JVN)

  6. Microsoft Office の数式エディタにおけるバッファオーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)

  7. Microsoft .NET Framework における WSDL パーサでの値検証不備により遠隔から任意のコードが実行可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

  8. AIや機械学習による自動化がさまざまなサイバー攻撃に活用、2018年予想(フォーティネット)

  9. 脆弱性体験学習ツール「AppGoat」の集合教育向け手引書と解説資料を公開(IPA)

  10. サポート終了のモバイルルータ「PWR-Q200」に脆弱性、使用中止を呼びかけ(JVN)

全カテゴリランキング

特集

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×