東京電力が5月25日午後3時現在として発表した福島第一原子力発電所の状況は以下の通り。※5月23日、2号機原子炉格納容器ガス管理システムの気体のサンプリングを実施。分析の結果、当該システム入口でキセノン135が検出限界値(0.092ベクレル/立方センチメートル)未満であり、再臨界判定基準である1ベクレル/立方センチメートルを超えていないことを確認。※5月24日午後2時59分、4号機原子炉ウェルへ炉内計装配管を用いたヒドラジンの注入を開始。同日午後4時34分、注入を終了。※5月25日午前9時40分、2号機原子炉への注水量の低下が確認されたため、給水系からの注水量を約2.6立方メートル/hから約3.0立方メートル/h、炉心スプレイ系からの注水量を約5.9立方メートル/hから約6.0立方メートル/hに調整。※5月25日午後1時6分、2号機使用済燃料プールへ循環冷却系を用いたヒドラジンの注入を開始。同日午後2時25分、注入を終了。 なお東京電力は25日、日経新聞の5月24日付け社説「大津波は想定外だったのか」についてコメントを発表している。以下、コメント全文。 平成24年5月24日付日経新聞(2面)社説において、「文部科学省の地震調査研究推進本部が地震発生確率を予測する『長期評価』の改訂において、貞観津波に関する新たな発見を踏まえ、福島県沖で大津波をもたらす地震が起きうることを予測に盛り込もうとしていた際、当社が文部科学省に改訂案の表現を工夫してほしい旨、要請した」との記事が掲載されております。 本件に関する事実関係は、以下のとおりです。○文部科学省の地震調査研究推進本部の地震発生確率を予測する『長期評価』の改訂において、文部科学省から「情報交換をしたい」との要請があり、平成23年3月3日に当社が伺ったものです。○その際、文部科学省から、貞観津波を含む記載について意見を求められ、当社からは、 ・貞観津波の波源の規模と位置はまだ特定できていない ・同じ場所で繰り返し発生したかどうかはまだ分かっていないとの認識を述べております。○当時、貞観津波に関しては、上記が一般的な考え方であり、当社が事実を曲げて記載するような依頼をしたものではありません。また、その際、文部科学省も同意見でありました。○その後、平成23年3月11日前に文部科学省が『長期評価』の改訂案を書き改めたかにつきましては、当社は承知しておりません。