NTTデータ先端技術株式会社は4月27日、Windowsコモンコントロールの脆弱性により、任意のコードが実行される脆弱性(MS12-027:CVE-2012-0158)に関する検証レポートを公開した。本脆弱性は、MSCOMCTL.OCX ファイル内に含まれる ActiveX コントロールであるWindowsコモンコントールに任意のコードが実行されるというもの。この脆弱性を悪用して、攻撃者は細工したOfficeファイルを添付したメールを送信し、攻撃対象ユーザにファイルを開かせることでローカルユーザと同じ権限を奪取することが可能となる。このコントロールは、Microsoft Office等の複数のアプリケーションが共有コンポーネントとして使用しているため、複数の製品が影響を受ける。同社では今回、この脆弱性の再現性について検証した。検証は、WindowsXP SP3上のOffice2007 SP3を検証ターゲットシステムとして実施。ターゲットシステムに、細工したワードファイルを開かせることで任意のコードを実行させた。今回の検証に用いたコードは、ターゲットシステム上から特定のサーバ、ポートへコネクションを確立させるよう誘導し、システムの制御を奪取するものであった。その結果、誘導先のコンピュータ(Debian)のコンソール上にターゲットシステム(Windows XP)のプロンプトが表示され、ターゲットシステムの制御の奪取に成功した。