1.概要Microsoft Excel にバッファオーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が報告されました。リモートの第三者に悪用された場合、システム上で不正な操作が実行される可能性があります。この脆弱性は、Aniway 氏が 2010/10/18 に発見し、Microsoft が 2011/4/12 にセキュリティ情報と共に更新プログラムを公開した問題になります。その後、2011/11/2 に Abysssec Security がこの脆弱性を悪用するエクスプロイトコードを公開しました。脆弱性を悪用された場合の影響度が高く、標的型攻撃などに悪用される可能性も考えられるため、対象のユーザは可能な限り以下の対策を実施することを推奨します。2.深刻度(CVSS)9.3http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2011-0105&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%293.影響を受けるソフトウェアMicrosoft Excel 2002 SP3Microsoft Excel 2007 SP2 以前 ※Microsoft Office 2004 for MacMicrosoft Office 2008 for MacOpen XML File Format Converter for Mac※Microsoft では、Excel 2007 を当該脆弱性の影響を受けないプロダクトとして報告していますが、エクスプロイトコードを公開した Abysssec Security によれば影響を受けると指摘しています。なお、筆者が確認した限りでも、該当するエクスプロイトコードを利用して悪用可能なことを確認しています。4.解説Microsoft Excel には、複合ドキュメント内の特定のレコードを処理する際にメモリ領域のデータをコピーする memcpy で使用される変数を適切に初期化しない不備が存在します。このため、当該レコードに不正な値を含む複合ドキュメントとして作成された Excel ファイルを処理した場合に、バッファオーバーフローが発生する脆弱性が存在します。この脆弱性を利用することでリモートの攻撃者は、Excel を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。なお、.xlb ファイルを利用してこの脆弱性を悪用可能なことが Abysssec Security より報告されています。5.対策(Web非公開)6.ソースコード(Web非公開)(執筆:株式会社ラック コンピュータセキュリティ研究所)※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。Scan Tech Reporthttp://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html