株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は11月8日、インターネットの基盤技術に関する最新の技術動向や、セキュリティ情報を紹介する技術レポート「Internet Infrastructure Review(IIR)」のVol.13を発行した。IIRは、インターネットが抱える技術的課題についての認識を、関連する多くの機関やユーザと共有することで、インターネットが安全な社会基盤として発展する一助となることを目指し、2008年10月より季刊で年4回発行している技術レポート。今号では、国内の大企業がメールを媒体とした標的型攻撃を受けたことが次々に判明し、この攻撃に対して官民連携による対策活動が活発化したこと。今年に入り、認証機関への侵入行為により公開鍵証明書の不正発行事件が相次ぎ、これらの事件により認証機関や公開鍵認証基盤(PKI)の仕組み自体の信頼性が揺らいだこと。Anonymousに代表されるHacktvistの攻撃活動が依然として継続していること。例年9月に発生しているDDoS攻撃は、昨年の攻撃と比較すると小規模。今年の特徴は、金融機関等の一般企業への攻撃が発生したことと、DDoS攻撃と同時に、不正侵入、情報漏えい、改ざんを目的とした攻撃が多く発生したこと。システム運用に大きく影響するApache Killerなどの脆弱性が発覚したことなどを挙げている。