>>第 1 回から読む
「その前にいくつか訊きたいんだが…」
オレは、相手の顔を見ないように視線をそらしながら尋ねた。好青年風の顔が、気にくわない。見たくねえ。
「どうぞどうぞ」
どうぞは、ひとつで充分だ。
「なんで、こんなことしたんだ?」
「次の事業資金を迅速に入手するためです。僕は、合法か違法かは、あまり意識しません」
「あんたみたいなヤツが中山と組むはずはないよな。うまくだまして、ゲーム内通貨を売らせたのか? そこがよくわからないんだ。中山が持ち逃げする可能性もあるし、あいつが後で犯罪のことをばらすと脅してくる可能性もある。頭も悪いし、とにかく組む相手としては最低なはずだ」
「僕は、工藤さんを買いかぶっていたようです。今おっしゃられたことは、見せかけの情報を、そのままなぞっただけです。僕は、中山と組んでいません。金に困っていた彼に、ゲーム内通貨を貸し、彼がそれを売って借金を返してから、犯罪で入手したものだと教えました。もちろん、匿名でね」
「言ってることがわからない。ゲーム内通貨を売らせれば、犯人を捜してるヤツは中山を疑う。オレみたいにな。それはわかる。しかし、中山にどういう方法でゲーム内通貨を入手したかなんてことまで説明する必要はないだろ」
「その前にいくつか訊きたいんだが…」
オレは、相手の顔を見ないように視線をそらしながら尋ねた。好青年風の顔が、気にくわない。見たくねえ。
「どうぞどうぞ」
どうぞは、ひとつで充分だ。
「なんで、こんなことしたんだ?」
「次の事業資金を迅速に入手するためです。僕は、合法か違法かは、あまり意識しません」
「あんたみたいなヤツが中山と組むはずはないよな。うまくだまして、ゲーム内通貨を売らせたのか? そこがよくわからないんだ。中山が持ち逃げする可能性もあるし、あいつが後で犯罪のことをばらすと脅してくる可能性もある。頭も悪いし、とにかく組む相手としては最低なはずだ」
「僕は、工藤さんを買いかぶっていたようです。今おっしゃられたことは、見せかけの情報を、そのままなぞっただけです。僕は、中山と組んでいません。金に困っていた彼に、ゲーム内通貨を貸し、彼がそれを売って借金を返してから、犯罪で入手したものだと教えました。もちろん、匿名でね」
「言ってることがわからない。ゲーム内通貨を売らせれば、犯人を捜してるヤツは中山を疑う。オレみたいにな。それはわかる。しかし、中山にどういう方法でゲーム内通貨を入手したかなんてことまで説明する必要はないだろ」