工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン2「V-CRY」 第22回「逃走」 | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン2「V-CRY」 第22回「逃走」

※本稿はフィクションです。実在の団体・人物・事件とは関係がありません※

特集 フィクション
>>第 1 回から読む

「被害者に関する情報を全てこちらに渡してもらう。もしも、その中から1年以内にネット詐欺の被害者が出たら、無条件にあんたのせいだと判断して、こちらの持っている情報を警察に届ける」

オレは威圧的な口調で、顔を寄せた。

「わかりました。おっしゃる通りにします」

中山は、あっさりと頭を下げた。正直、オレは拍子抜けした。もっと粘って抵抗すると思っていたのだ。普通、そうするものだろう。なんで、ごまかしたり逃げようとしたりしないんだろう。

その時、オレの頭に電撃が走り、背中に鳥肌が立った。こいつは、犯人じゃない、という直感が走った。

「どうしました?」

オレの様子が変わったのに気がついた中山が、いぶかしげな声を出した。

「誰に頼まれた?」

オレは低い声で、かまをかけてみた。

中山の顔色が変わった。間違いない。こいつは犯人じゃない。

《ScanNetSecurity》

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×