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2018.11.18(日)

特別寄稿第2弾「ソニーサイバー攻撃の経緯と教訓」(4)Anonymous というハッカーコミュニティとは

筆者は、Anonymous をハッカーコミュニティと呼ぶことが多い。これは、不特定多数の者が、IRC(インターネットチャット)や特定サイトというサイバー空間での居住地域を同じくし、一定レベルの範囲内の利害を共にする共同社会を形成しているように見えているからである。

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筆者は、Anonymous をハッカーコミュニティと呼ぶことが多い。これは、不特定多数の者が、IRC(インターネットチャット)や特定サイトというサイバー空間での居住地域を同じくし、一定レベルの範囲内の利害を共にする共同社会を形成しているように見えているからである。リーダーシップの存在を必要とする「組織や集団」とは大きく異なる。

では、このような形態のコミュニティは、どこで生まれたのか?

筆者は、Anonymous 及びその活動を徹底的にリサーチし、必要の範囲内で彼らとコミュニケーションをとった結果、その源流の一つは、日本の「2ちゃんねる」というインターネット上の匿名掲示板にあると結論づけている。

2001年、この「2ちゃんねる」掲示板の文化に基づき、画像掲示板「ふたば☆ちゃんねる」が設立された。この画像を共有するというコンセプトの匿名掲示板は、日本語が理解出来ない外国人に注目されるものとなった。

2003年、英語圏を対象として「ふたば☆ちゃんねる」を真似た形で、「4chan」が設置された。この「4chan」は、英語圏のWebサイトには珍しく「2ちゃんねる」や「ふたば☆ちゃんねる」と同様な匿名掲示板である。Facebook や Twitter のように、サイト利用のための登録システムが存在しない。「2ちゃんねる」と同じように投稿時に任意の名前を記入することもできるが、「4chan」の投稿者の間で、名前欄を空白にすることがよいという風潮ができあがったため、日本語の「名無しさん」に相当する「Anonymous」と表示されることになる。

このため、「4chan」ユーザ以外の一般のインターネットユーザが、このサイトを閲覧すると、「Anonymous」という名前の投稿者が一人で大量の投稿をしているように見えるため、さまざまな勘違いやジョークが生まれ、“Anonymous dose not forgive”(アノニマスは容赦ない)というキャッチフレーズが生まれた。(前述の Operation Sony における攻撃宣誓文(http://anonops.blogspot.com/2011/04/opsony.html) 等において、よく使用される文言の一つである“We do not Forgive”と同じであることに気づかれると思う。)

2008年から、4chan の利用者の一部が、他の共有サイトの利用者とともに、「Anonymous(アノニマス)」と呼ばれるコミュニティを作り、さまざまなところに対してサイバー攻撃を仕掛けるようになっていった。

多くの便乗攻撃や漏洩情報をまとめて公開する行為などは、「2ちゃんねる」でいうところの「お祭り」や「まとめサイト」の文化と類似点が多い。これは、匿名、すなわち、Anonymous のインターネット文化ゆえの必然的に出現する行為特性ではないかと、筆者は捉えている。

(株式会社サイバーディフェンス研究所 上級分析官 名和 利男)
《ScanNetSecurity》

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