独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)は4月6日、2011年3月度および第1四半期の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。また、一般家庭の無防備な無線LAN環境が悪用されるといった事件が複数報道されていることから「無線LANを他人に使われないようにしましょう!」として、事件の実例や具体的な対策を紹介。自宅の無線LANが犯罪インフラとして悪用されないようセキュリティ設定を適切に行う呼びかけを行っている。3月のコンピュータウイルス届出状況では、ウイルス検出数は約2.4万個と、2月の約2.2万個から10.6%の増加となった。届出件数は985件となり、2月の974件から同水準での推移となった。コンピュータ不正アクセス届出状況では、3月の不正アクセス届出件数は6件で、そのすべてに何らかの被害があった。相談件数は45件で、このうち10件が何らかの被害に遭っている。被害届出の内訳は、侵入1件、なりすまし5件であった。ウイルス・不正アクセス関連相談総件数は1,723件で、このうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が466件(2月は473件)、「偽セキュリティソフト」に関する相談が7件(2月は9件)、Winnyに関連する相談が22件(2月は6件)、「情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメール」に関する相談が2件(2月は0件)などとなっている。2011年第1四半期のウイルス届出状況では、届出件数は3,065件と前四半期(2010年第4四半期)の2,964件から増加したが、全体としては減少傾向にある。コンピュータ不正アクセス届出状況では、2011年第1四半期の不正アクセス届出件数は28件で前四半期の50件から約56%に減少した。内訳は、侵入25件、なりすまし11件、DoS攻撃2件、不正プログラム埋込2件、アドレス詐称1件、その他(被害あり)1件などとなっている。(吉澤亨史)http://www.ipa.go.jp/security/txt/2011/04outline.html