EMCジャパン株式会社 RSA事業本部(RSAセキュリティ)は3月30日、フィッシングやオンライン犯罪関連ニュース「Monthly AFCC NEWS Vol.44」を発行した。本号では「VNCを悪用する銀行を狙ったトロイの木馬が現実に」として、VNC(Virtual Network Computing)接続を使ったトロイの木馬が目立ってきたことを紹介している。これについては、他ならぬSpyEyeの作者が昨年10月にトロイの木馬のためのVNCプラグインの開発を公表していた。VNCのソフトウェアは現在、テクニカルサポートの際によく使われるアプリケーションであるが、トロイの木馬にVNCプラグインを組み合わせることで、詐欺師たちはどこからでもリモートアクセスして、被害者のPCを完全に操作できるようになる。同社ではこの動きを注視しているが、回収したサンプルとサーバサイドのコントロールパネルの双方を分析した限り、VNC対応は完成には至っていないとしている。2月のフィッシング攻撃総数は18,503件と、1月比で11%増加し、1カ月ぶりに18,000台を超えた。プロキシベースのフィッシング攻撃(fast-flux型攻撃)がない状態は8カ月連続となっている。フィッシング詐欺師たちに最も人気のある攻撃のホスト方法は、Webサイトのハイジャックである。この方法ならば、そもそも攻撃がシャットダウンされた時に、詐欺師が失うものはない。一方、fast-flux型のインフラは一般的なスパム攻撃や、できる限り発見されないよう、できる限り長く被害者のPCとの接続を保つよう、トロイの木馬のホスティングにも使われている。(吉澤亨史)http://japan.rsa.com/