1.概要SystemTap の staprun には、環境変数の取り扱いに不備が存在するため、権限昇格が可能な脆弱性が報告されました。ローカルの悪意あるユーザに利用された場合、root 権限を取得され、本来許可されていない操作が実行される可能性があります。脆弱性の悪用は容易であると考えられ、深刻な影響を受ける可能性があるため、対象のユーザは速やかに以下の対策を実施することを推奨します。2.深刻度(CVSS)7.2http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2010-4170&vector=%28AV%3AL/AC%3AL/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%293.影響を受けるソフトウェアSystemTap 1.3 以前※影響を受けるバージョンの SystemTap が含まれる、Linux ディストリビューションにおいても、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。4.解説SystemTap は、実行中の Linux Kernel の動作を動的にモニターおよびトレースし、システム情報を取得できる機能を提供します。また、staprun は、setuid ビットが付与された SystemTap のランタイムツールであり、カーネルモジュールの管理を行います。この staprun には、カーネルモジュールを追加または削除する modprobe コマンドを実行する際の MODPROBE_OPTIONS 環境変数の取り扱いに不備が存在します。このため、当該環境変数に指定された不正な設定ファイルを介して、権限昇格が可能な脆弱性が存在します。この脆弱性を利用することでローカルの攻撃者は、root 権限で任意のコマンドが実行可能となります。また、この脆弱性とは別に SystemTap 1.3 以前には、カーネルモジュールのアンロード処理に起因して、サービス不能状態に陥る脆弱性 (CVE-2010-4171) が同じ発見者 Tavis Ormandy 氏より報告されています。当該脆弱性においても、以下の対策または緩和策を実施することで対応可能です。5.対策(Web非公開)6.関連情報(Web非公開)7.エクスプロイト(Web非公開)8.エクスプロイトの動作概要および結果(Web非公開)9.想定される攻撃シナリオ(Web非公開)(執筆:株式会社ラック サイバーリスク総合研究所 コンピュータセキュリティ研究所)※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。Scan Tech Reporthttp://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html