SCAN DISPATCH :グルジア大統領を中傷する偽BBCスパム攻撃が発見される | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.10.18(水)

SCAN DISPATCH :グルジア大統領を中傷する偽BBCスパム攻撃が発見される

国際 海外情報

 SCAN DISPATCH は、アメリカのセキュリティ業界及ハッカーコミュニティから届いたニュースを、狭く絞り込み、深く掘り下げて掲載します。

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 8月16日に、ロシアとグルジア間で停戦合意が成立されたが、米国のインターネット専門家によると、一時安定していたグルジアのインターネットのインフラが、週末の15日に再び不安定になっている。

 Renesys社のEarl Zmijewski氏はそのブログで、グルジアのインターネットのインフラをモニターしている。Zmijewski氏によると、グルジアには309のプレフィックス(IPアドレスのブロック)が、26のISPなどに割りあてられている。ロシア・グルジア開戦の8月8日から10日にかけては、最高35%のプレフィックスが断続的にインターネットから消滅、つまりダウンしており、最高60%のプレフィックスが不安定になっていた。その後約一週間は、比較的安定していたが、8月15日になって再び、最高25%がダウン、35%ほどが不安定になった。ダウンしているプレフィックスの68%は、グルジアの大手DSLプロバイダであるUnited Telecom of Georgia (AS 35805)のもの。Zmijewski氏は筆者とのメールインタビューで、「国全体のインターネットがダウンしているのではなく、一部のネットワークがごっそりとダウンしている場合は、物理的な原因−停電やケーブルの切断−が考えられるが、ダウンしたネットワークが数時間後には復旧していることから、ケーブル切断ではなく停電が原因だろう」と述べており、一部マスコミに報道された大規模なサイバー戦争を否定している。

 この意見に同意しているのは、元イスラエルCERTのマネージャーであるGadi Evron氏。Evron氏は、今年の5月に、同じくロシアからのサイバー攻撃にあったエストニアに派遣され、攻撃回避と復旧を手伝ったサイバー攻撃の専門家だ。彼はそのブログで、「グルジアのWebサイトにボットネットの攻撃が行われているが、インフラへの直接攻撃は行われていないようだ」と結論付けている。Evron氏は筆者とのメールインタビューで、「エストニアに対するサイバー攻撃は、誰が先導しているかにかかわらず、明らかに組織的なものだったが、今回のグルジアに対する攻撃は組織的なものではないようだ。(預言者モハメッドの風刺漫画を巡る論争やイラク戦争など)政治的衝突が起こると一部のオンライン賛同者が必ずサイバー攻撃を行っているが、グルジアへのサイバー攻撃もそれだろう」と述べている。

 攻撃が組織的なものでないことを示す良い例が「www.stopgeorgia.ru」である。「われわれはロシアのhako-undergroundの代表である。グルジアの挑戦には我慢できない」とのスローガンを掲げ、図1のようにグルジアの国会、裁判所、文化省などの主要機関をリスト化、同時に「DDoS攻撃用のツールのダウンロードができるようになっている」(Armin氏)いわゆるDDoSのワン・ストップ・ショッピングのサイトだ。

図1:stopgeorgia.ru スクリーンキャプチャ
https://www.netsecurity.ne.jp/images/article/stopgeorgia.jpg

 一方、今回のグルジア向けのDDoS攻撃をモニターしているのは、 Jart Armin氏。Armin氏もブログで、8月9日に、Russian Business Networkが発信源になったサイバー攻撃を報じている。氏は「最初にグルジアに対するサイバー攻撃が行われたのは、TTnet Turkish Telecomであり、使われたボットネットの技術もツールも、過去にRussian Business Networkが使用したものである」と述べている。

 そのRussian Business Networkが発信源と思われる中傷スパムが、8月15日、 Alabama at Birmingham大学の Spam Data Mineによって発見された。

 同大学のコンピュータフォレンジック研究ディレクターであるGary Warner氏によると、スパムには「BBC NEWS」「Weekly BBS NEWS」「your subscription」の3種のタイトルがあり、その内容は「(グルジアの大統領)サアカシュビリのホモ・スキャンダル!今週の大ニュース!サアカシュビリのホモ・ビデオを視聴!」と猥雑な表現で書かれており、実際にBBCのWebサイトから写真をリンクしていると同時に、スパムにあるリンクをクリックすると約15のサイトからマルウエアがダウンロードされる。今回、ユーザーのPCに配布されるウイルス name.avi.exe は…

【執筆:米国 笠原利香】

【関連リンク】
Renesys社のブログ
http://www.renesys.com/blog/index.shtml
Gadi Evron氏のブログ
http://www.circleid.com/posts/88116_internet_attacks_georgia/
Jart Armin氏のブログ
http://rbnexploit.blogspot.com/
University of Alabama at Birmingham Spam Data Mineのプレスリリース
http://main.uab.edu/Sites/MediaRelations/articles/50618/
RBNとABDALLAH INTERNET HIZMETLERI (AIH)に関する白書
http://www.shadowserver.org/wiki/uploads/Information/RBN_Rizing.pdf
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