監査法人トーマツは11月29日、国内147銀行のWebサイトにおけるフィッシングへの対応状況を調査し、その結果を公表した。全体の傾向としては、都市銀行については比較的フィッシングへの対応は進んでいるが、それ以外の銀行(信託銀行、地域銀行など)では途上であることが窺えると報告している。調査は、フィッシング詐欺に対する日本の銀行の対応策の現状を捉えることを目的としており、銀行が有するWebサイトをインターネット経由で顧客の視点で閲覧し、外部に発信される情報から得られる範囲で、フィッシングなどへの対策状況を調べたもの。調査期間は2007年8月20日〜8月31日。結果概要によると、ログイン画面が当該銀行のものであることを判定する手がかりとなる、当該銀行のドメイン名とログイン画面のドメイン名の一致については、それが一致していない銀行が全体の76%とほとんどで、そもそもドメイン名を表示する部分を除去してしまったログイン画面を表示している銀行が全体の24%も存在することが判明した。また、フィッシングに対する注意喚起については、対象銀行サイトの26%がそうした対策を怠っており、16%でセキュリティポリシー(自行のセキュリティに対する方針)を確認できなかったと報告している。さらに、一部のサイトでは、Webアプリケーションを不正に操作することが可能な脆弱性が残されていたり、公表する必要がないと考えられるシステム運用や管理業務を行うためのマニュアルが、外部から誰でも参照できる状態となっていたことを指摘。基本的なセキュリティ対策さえ不十分な銀行がまだ存在することが明らかとなった。http://www.tohmatsu.co.jp/news/2007/press1129.shtml