前回に引き続き、カスペルスキー・ラブス社日本オフィスにて、日本法人代表のアドリアン・ヘンドリックス氏に取材した内容を述べる。今回は、2000年に同社が発売を開始したオリジナルブランド製品群の詳細と、日本市場参入の戦略について取材結果をまとめた。●カスペルスキー社オリジナルブランド製品のラインナップ 同社で発売しているPC向けセキュリティソフトウェアは、・ウイルス対策製品・スパムメール対策製品・パーソナルファイアウォール製品の3つに大別できる。この区分を基本に、個人から大企業までの様々な規模、WindowsからUnix系OSまでの様々なプラットフォームをカバーできるようになっている。同社はこれらの製品ラインナップの同時導入を推奨しているが、個別導入も可能だ。●カスペルスキー・アンチウイルス 同社のアンチウイルス製品の詳細は以下のようになっている。◎個々のPCやサーバを保護するための製品 ○個人ユーザ・SOHO・中小企業向け ・Kaspersky Anti-Virus Personal ・Kaspersky Anti-Virus Personal Pro◎ネットワーク全体を保護するための製品 ○中小企業向け(導入台数250台未満) ・Kaspersky Anti-Virus Business Optimal ○中堅・大企業向け(導入台数250台以上) ・Kaspersky Corporate Suite PC向けの製品は、ウイルスから保護したいPCやサーバに個別にインストールし動作させるタイプの製品で、全体を統括管理することなどはできない。一方、下のBusiness OptimalやCorporate Suiteは大規模なマルチプラットフォーム環境のセキュリティを確保するための統合ソリューションであり、付属のAdministration Kitを使っての統合管理が可能だ。 元々アンチウイルスの「エンジン」開発に特化し、OEM提供を行っていた経緯から、同社は様々な機器、例えばルータやメールゲートウェイ、ファイルサーバ、PDAなどにエンジンを組み込む技術を持っている。統合ソリューションでは、これらを統合管理することも可能であり、これは同社の強みの1つである。●900を超える圧縮ファイルに対応、1時間に1回パターンファイルを更新 同社のアンチウイルス製品は、実に900以上ものファイル圧縮の仕組みに対応している。他社がおおよそ20〜50であるのと比べると、圧倒的な数字だ。その背景にあるのは、創業者ユージン・カスペルスキー氏が過去にファイル圧縮の研究をしていたという実績と、アンチウイルス専業ベンダーとしての15年に及ぶ業績だ。 元々アンチウイルス専業ベンダーであったことのもう1つの強みが、新しいウイルスに対する対応の早さだ。ウイルスに関する世界随一の情報網と技術を持つ同社では、新しいウイルスがネットワークに出回ってから20分程度で、ウイルスを解析し、パターンファイルを作成することができるという。そのため、同社製品では1時間に1回という非常に高頻度なパターンファイルの更新が可能となっている。【執筆:株式会社アイドゥ 小松信治 http://www.eyedo.jp】──(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec