ECサイト運営者向けの、知っておきたいWEBアプリの脆弱性とその対策 ■第1回■ | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

ECサイト運営者向けの、知っておきたいWEBアプリの脆弱性とその対策 ■第1回■

■ Webアプリケーションの脆弱性とは何か?脆弱性チェックリストを公開

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■ Webアプリケーションの脆弱性とは何か?脆弱性チェックリストを公開

 Webサイトを利用した電子商取引サイト(以下ECサイト)は時間に関係なく、手軽に自分が欲しい製品や商品を購入することが可能で、非常に便利だ。しかし便利とは「安全性」や「信頼性」が確保されているということが前提として成り立っているものだと考えられる。現実の世界では人間同士が顔を合わせる事で解決出来ることが、ECサイトでは多くの仕掛けが必要になり、それらの実装に誤りがある場合、取り返しのつかない問題(他人への成りすましや登録者情報の漏洩等)へと発展する場合がある。

 これから5回に渡り、ECサイト(に限らず個人情報を取り扱っているWebサイト全般)を運営するにあたり、最低限知っておきたいて事を極力順序だて解説してゆくこととする。
 第一回目はWebサイト(アプリケーション)の危険性(問題)と知っておくべきチェックリストである。

 まず理解しなければならないこととして、ファイアウォールや不正侵入検知システム(IDS)等で武装したネットワーク上に存在するOSを強化したWebサイトが必ずしも安全とは言えないということだ。ここ数年でようやく認知され始めたWebアプリの脆弱性はその強化されたOSの上で動作し、この部分を突破口として別レイヤーへの攻撃を成功させるのだ。

 大雑把に分類すると以下のようになる。

 ・OS(WindowsやUNIX等)、各種サービス(SMTP、FTP、DNS等)、ファイアウォールの強化=ネットワークセキュリティ

 ・Webサーバ上で動作する各種機能(ユーザ登録、買物、情報変更等)の強化=Webアプリセキュリティ

 ネットワークセキュリティに関する書籍は非常に充実しており、構築や運用方法に関して不安要素は少なく、既に非常に多くのノウハウが確立されているものと考えられる。しかしWebアプリセキュリティに関しては、比較的新しい分野であり、その情報量の少なさが脆弱なWebアプリを生む一つの原因となっている。

 ECサイトの殆どでは、コンピュータ上で動作するアプリケーション(以下アプリ)と人間が主人公で、アプリは人間が教えた(設計した)通りの動きしかしない。よって出来の悪いアプリは人間に騙されてしまう可能性があるということを認識しなければならない。これがいわゆるセキュリティホールに通じることになる。

 アプリは与えられた情報(ユーザからの入力値)をもとに仕事(処理)を淡々とこなすのだが、出来の悪いアプリはその仕事の中身に無関心である。言い換えると、ユーザからの入力値が例え不正なものでもそのまま処理をしてしまうということになる。正規ユーザが自身の情報を参照しようが、成りすましたユーザが同じ情報を参照しようがアプリにとっては関係無いということだ。逆に洗練されたアプリの場合、全ての情報(ユーザからの入力値)を検閲し、処理を進めて良いか否かの判断を行う。たったこれだけの違いで安全性には雲泥の差が出てしまう。


三井物産セキュアディレクション株式会社 目崎 匠
http://www.mbsd.jp/

この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd
《ScanNetSecurity》

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