米連邦捜査局(FBI)の全米インフラ防衛センター(NIPC)は11月2日、コンピュータ・ネットワークに対する分散型サービス使用不能(DDoS)攻撃の脅威が、ここ最近高まってきているとする警告を発した。NIPCが発表したアドバイザリーによると、近々DDoS 攻撃が発生する可能性が高いことを裏付ける根拠をNIPC は入手したという。NIPC はネットワーク・インフラの管理運営者に対し、万全なる防御態勢を敷き警戒を怠らぬよう勧告した。尚、同アドバイザリーにはDDoS 攻撃の危機に晒されている特定ネットワーク、または攻撃を実行する恐れのある特定組織もしくは人物に関する記載はなかった。 10月20日、ハッカー組織GForce Pakistan が国防総省管轄の国防試験評価専門研究所(DTEPI)のサイトをテロとイスラム教に関するメッセージに書き換える事件が発生した。それを受けてNIPCは、“9月11日の米同時多発テロと関連のある反米組織とそれに対抗する親米組織によるサイバー攻撃の激化が懸念される”と述べ、9月の時点よりもハッカー攻撃の脅威は高まっていると警告した。 さらに、NIPCはシステム管理者に対し、攻撃者が“ゾンビ”ソフトを埋め込んでいないかシステムをチェックするよう勧告し、そしてコンピュータ緊急対応チーム(CERT)が発表した推奨されるセキュリティ措置リストを遵守するよう求めた。10月下旬、ニューヨークタイムズ社のコンピュータシステムに膨大なデータが送り込まれ、同社のサイトに数時間にわたってアクセス障害が発生した。その際、DoS攻撃の可能性が高いと疑われたが調査の結果、原因は同社のネットワークがNimdaワームの新種に感染したためであることが分かった。