大手IRC(Internet Relay Chat)ネットワークのUndernetが1月8日、ルーマニア人ハッカーの分散型サービス使用不能(DDoS)攻撃に遭い、サービスの機能停止に陥った。IRCはインターネット上でリアルタイムにチャットが行えるシステムの一つでAOLのInstant MessengerやICQなどと同様、全世界に何百万人ものユーザがいる。今回の攻撃で、Undernetの45のサーバをホスティングしている米国、フランスを含む35ヶ国のISP(Internet Service Provider)が被害を被った。尚、Undernetは1月7日、同サイトでIRCサービスの提供が困難になっている旨を告知していた。 あるIRCサーバのシステム管理者は匿名を条件に次のように語った。「攻撃は、ルーマニアに住む一人のハッカーが何百というリモートコンピュータを悪用して行ったと見られる。ルーマニアでは現在のところDoS攻撃に適用される法律がないため、ルーマニアのハッカー・コミュニティは非常に活発だ。しかし、警察当局はこの件に関して全く無知であり、あまり関心を払っていない。これは、深刻な問題である」。 セキュリティ会社IRMの上級セキュリティ技術者Richard Stagg氏はDDoS攻撃に関し「DoS攻撃の中でも最も危険で卑劣な攻撃手法だ。何故なら、攻撃を阻止するのが非常に困難だからだ。特に、サイバー犯罪に関する法体系が十分に整っていない国においては深刻である」と警告した。さらに、同氏はIRCサーバが標的となるスクリプトを書くことはとても簡単だと述べ、国境を超えた捜査機関の協力関係が必要であると訴えた。