アンチウイルス・ソフト開発会社Sophos社によると、フィリピン国家捜査局(NBI)は10月22日、19歳の男性を“Erap Estrada”ウイルス散布に関与した疑いで逮捕した。容疑者の名前は公表されていない。 同容疑者の自宅にあったフロッピーディスクやコンピュータ機器類は、NBIのコンピュータ犯罪対策班により押収された。現在、同容疑者は保釈中である。 Sophos社の上級技術コンサルタントGraham Cluley氏は、LOVEウイルス事件では結局、誰も起訴に至らなかったと述べ「今回はコンピュータ犯罪に取り組むフィリピン当局の真剣さが見て取れた。今後、コンピュータ関連の不正行為に対する取り締まりの強化が期待できるだろう」と語った。さらに「ウイルスを撒き散らすハッカーは逮捕されるということ、そして当局は従来よりもその罪を重く考えていることをハッカーは認識する必要がある」と訴えた。 “Erap Estrada”ウイルスは9月上旬に発生したトロイの木馬型ウイルス。件名『erap estrada』(フィリピンのJoseph Estrada大統領のニックネーム)の電子メールの添付ファイルに潜んでいる。Sophos社によると、危険度は低く、市販されている最新版のウイルス駆除ソフトウェアで検出可能だ。