インターネットの爆発的な普及に比べ、逮捕され有罪判決を受けたハッカーの数はごく僅かであることが米司法省の報告で明らかになった。 1998年の一年間で民間企業が連邦当局にハッキング事件を通報した件数は、少なくとも3700件に上った。しかし米連邦捜査局(FBI)がコンピュータ侵入事件として捜査したのは547件で、米司法省がコンピュータ犯罪で有罪判決を下したのはわずか56名だった。そのうち47名がコンピュータ詐欺および不正使用の罪で有罪となり、禁固刑を言い渡されたのはたった12名にすぎなかった。 1999年のコンピュータ犯罪における起訴件数、有罪件数、刑期などは、まだ発表されていないが大幅に増加すると予測されている。例をあげると、FBIは昨年一年間で1154件のコンピュータ犯罪事件を捜査したと発表している。しかしカーネギー・メロン大学のコンピュータ緊急対応チームの報告書によると、起訴件数および有罪件数は、急増するコンピュータ攻撃件数をかなり下回っている。 Louis Freech FBI長官は最近、議会で「サイバー犯罪、サイバーテロは我々にとって苦手な領域だ。何故なら新しい分野であり、様々な組織との調整が必要とされる捜査体系もまた新しい試みだからだ」と語った。